〔試合評〕好投・木佐貫の前にリードオフマンのバットが、空を切る...──2012年4月8日(日)●楽天イーグルス0-2オリックス
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リードオフマンのバットが、空を切る...
序盤に2点を先制されたイーグルスが、反撃の狼煙をあげなければならなかった場面こそ、6回表だった。
5回まで僅かヒット1本。楽天打線は、2回から5回まで4イニング連続三者凡退を許すなど、相手先発・木佐貫の好投の前に、攻略の糸口すら見つけることができずにいた。
そんな状況下、ようやくつかんだ好機が6回表だった。
開幕以来8試合連続安打と打撃好調を維持する嶋が、先頭打者として安打出塁することに成功。9番・阿部が手堅いバントをこなし、走者を初回以来となるスコアリングポジジョンに送り、1死2塁、迎えるバッターは聖澤諒というシチュエーションだった。
5回まで僅かヒット1本の1本を放ったのが、この背番号23である。今季ここまで得点圏打率はチームトップの.625。打点7もチーム最多。レギュラー3年め、さらに大きく羽ばたこうとしているリードオフマンのバットに、期待が高まった。
しかし──
軍配は、腰痛の寺原の代役として先発マウンドにあがり、冷静な投球を続けた木佐貫に、上がってしまう。
打ち気にはやるバットマンの打者心理を見透かすような、キレのある変化球を低めに集め、バットが空を切ること3度。聖澤は初球のワンバウンドしたフォークこそみきわめたものの、2球目の低めのフォークに空振り、3球目アウトローへ絶妙な軌道で逃げていくシュートにまたしても空振り、最後は膝元めがけて投げ込まれた縦のスライダーに手を出し、空振り三振に凡退した。続く内村もファーストゴロに倒れ、反撃の機運は絶たれてしまうことになる。(7回にも得点圏に走者を進めたが2死からだった)
結局、スコア楽0-2オで今季初の零封負け。安打4本は4/1ロッテ戦と並ぶ今季最少のヒット数。チーム成績は3勝5敗1分となっている。
さて、前置きが長くなってしまったが、下記でもこの試合を振り返ってみたい。
●楽天イーグルス0-2オリックスバファローズ
■ハイライト映像
先攻・楽天の先発オーダーは
1番・聖澤(中)、2番・銀次(ニ)、3番・高須(三)、4番・フェルナンデス(一)、5番・中村(指)、6番・テレーロ(左)、7番・鉄平(右)、8番・嶋(捕)、9番・阿部(遊)、先発・下柳(左投)。
後攻・オリックスのスタメンは、
1番・坂口(中)、2番・大引(遊)、3番・後藤(ニ)、4番・李大浩(一)、5番・高橋信(指)、6番・T-岡田(左)、7番・バルディリス(三)、8番・伊藤(捕)、9番・赤田(右)、先発・木佐貫(右投)。
■楽天・下柳剛 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Fo=フォーク、Cur=カーブ
下柳は好投した
6回、打者24人、73球、被安打6、奪三振1、与死球1、2失点、2自責点。
木佐貫の完封勝利の前に影がかすんでしまう結果になったが、下柳は好投した。
初回、打者の芯をはずして討ち取る「らしさ」で三者凡退に抑え無難な立ち上がりか?と思われたものの、2回に李大浩、高橋信、T-岡田に3連打を浴び、無死満塁の危機を迎えてしまう。しかし、このピンチを犠牲フライの1点で切り抜けてみせたところは、さすがだと思う。3回は先頭の坂口に真中高めに入った失投を右中間に運ばれてスリーベース。続く大引にも甘く入ったシュートを一二塁間に抜かれ、1点を失う結果になった。(楽0-2オ)
3連打で無死満塁、2点を先制された・・・等というイメージからいえば、いまひとつかな?と思われてしまうものの、客観的にみれば、試合を作るという「求められている期待」にはしっかり応えたと言えそうだ。下柳が作った試合を、モノにするか?しないか?は下柳の預かり知らぬところで、その責任は打線側にこそある。
無駄なボール球を使わずに6回を球数73球と省エネできた点もプラス材料。今日のようなピッチングを今後も期待したい。
■楽天・下柳剛 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
小山、ハウザーが2イニングをピシャリ!
7回以降はブルペン陣が好投をみせた。
特に小山。オープン戦ではなかなか良い結果を残すことができず、シーズン入ってからの活躍に不安を抱いていたが、そんなこちら側の懸念を払拭する投げっぷりをみせてくれている。
3/30ロッテ戦、4/4ソフトバンク戦、4/5ソフトバンク戦とここまで3試合、3回2/3、打者12人に投げ、許したヒットは僅か1本。奪三振は3、与四球は1、0失点という内容。
今日も7回1イニング、バルディリス、伊藤、赤田という下位打線ではあったがピシャリと抑えてくれた。
紫の網掛け=空振り、黄緑の網掛け=ファウル
点数にすれば限りなく100点に近いのでは?という内容。白眉だったのは、アウトコースいっぱいに決まる速球。球威あるストレートで打者を押し、最後となった9球目、赤田から空振り三振に奪った球は147キロを計測。赤田のバットが球の下を通っていたことからもわかるように、スピンが効いていた、といえそうだ。
8回を任されたハウザーも上々。速球にカーブを織り交ぜ、オリックスの上位打線に仕事をさせず、3人で片づける。現在1軍登録されている中継ぎ左腕で信頼のおけるのは片山しかいない状況であるから、ハウザーが今後使うことができれば、片山(は昨日の登板で4連投だった)の負担も軽減されるはず。これを期待したい。
■オリックス・木佐貫洋 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Fo=フォーク、Cur=カーブ
9回、打者31人、球数95、被安打4、奪三振4、与四死球0、0失点
散発4安打に零封とくると、どうしても打線に元気がなかったというイメージになってしまうが、一方で木佐貫が好投していたのは、認めなければならないところだろう。
ボール球は73球のうち29.4%に当たる22球。3ボールにしてしまったカウントも僅か1打席と、ストライク先行の組み立てができていた。走っていた速球、キレのある変化球で楽天の打者を翻弄、ゴロアウトの山を築いていく。獲得アウト27個の内訳を確認すると、
ゴロアウト・・・14
フライアウト・・・8(内野5、外野3)
犠打・・・1
奪三振・・・4
と、理想的な内容。ここぞというところで低め、外角いっぱいに絶妙球が決まる瞬間が何度もあった。
打者の左右別でいえば、のべ14人の右打者は3本のヒットを放ったものの、のべ17人の左打者は初回に聖澤が記録した僅か1本止まり、左打者をほぼ完璧に抑え込んだのが、好投の1要因と言えそうだ。
■オリックス・木佐貫洋 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
◎◎◎関連記事◎◎◎
・下柳、オープン戦で上々!──2012年3月21日(水)○楽天イーグルス4-2千葉ロッテ
・楽天・下柳、求められている仕事はした初先発──2012年4月1日(日)●楽天イーグルス2-4千葉ロッテ
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リードオフマンのバットが、空を切る...
序盤に2点を先制されたイーグルスが、反撃の狼煙をあげなければならなかった場面こそ、6回表だった。
5回まで僅かヒット1本。楽天打線は、2回から5回まで4イニング連続三者凡退を許すなど、相手先発・木佐貫の好投の前に、攻略の糸口すら見つけることができずにいた。
そんな状況下、ようやくつかんだ好機が6回表だった。
開幕以来8試合連続安打と打撃好調を維持する嶋が、先頭打者として安打出塁することに成功。9番・阿部が手堅いバントをこなし、走者を初回以来となるスコアリングポジジョンに送り、1死2塁、迎えるバッターは聖澤諒というシチュエーションだった。
5回まで僅かヒット1本の1本を放ったのが、この背番号23である。今季ここまで得点圏打率はチームトップの.625。打点7もチーム最多。レギュラー3年め、さらに大きく羽ばたこうとしているリードオフマンのバットに、期待が高まった。
しかし──
軍配は、腰痛の寺原の代役として先発マウンドにあがり、冷静な投球を続けた木佐貫に、上がってしまう。
打ち気にはやるバットマンの打者心理を見透かすような、キレのある変化球を低めに集め、バットが空を切ること3度。聖澤は初球のワンバウンドしたフォークこそみきわめたものの、2球目の低めのフォークに空振り、3球目アウトローへ絶妙な軌道で逃げていくシュートにまたしても空振り、最後は膝元めがけて投げ込まれた縦のスライダーに手を出し、空振り三振に凡退した。続く内村もファーストゴロに倒れ、反撃の機運は絶たれてしまうことになる。(7回にも得点圏に走者を進めたが2死からだった)
結局、スコア楽0-2オで今季初の零封負け。安打4本は4/1ロッテ戦と並ぶ今季最少のヒット数。チーム成績は3勝5敗1分となっている。
さて、前置きが長くなってしまったが、下記でもこの試合を振り返ってみたい。
●楽天イーグルス0-2オリックスバファローズ
■ハイライト映像
先攻・楽天の先発オーダーは
1番・聖澤(中)、2番・銀次(ニ)、3番・高須(三)、4番・フェルナンデス(一)、5番・中村(指)、6番・テレーロ(左)、7番・鉄平(右)、8番・嶋(捕)、9番・阿部(遊)、先発・下柳(左投)。
後攻・オリックスのスタメンは、
1番・坂口(中)、2番・大引(遊)、3番・後藤(ニ)、4番・李大浩(一)、5番・高橋信(指)、6番・T-岡田(左)、7番・バルディリス(三)、8番・伊藤(捕)、9番・赤田(右)、先発・木佐貫(右投)。
■楽天・下柳剛 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Fo=フォーク、Cur=カーブ
下柳は好投した
6回、打者24人、73球、被安打6、奪三振1、与死球1、2失点、2自責点。
木佐貫の完封勝利の前に影がかすんでしまう結果になったが、下柳は好投した。
初回、打者の芯をはずして討ち取る「らしさ」で三者凡退に抑え無難な立ち上がりか?と思われたものの、2回に李大浩、高橋信、T-岡田に3連打を浴び、無死満塁の危機を迎えてしまう。しかし、このピンチを犠牲フライの1点で切り抜けてみせたところは、さすがだと思う。3回は先頭の坂口に真中高めに入った失投を右中間に運ばれてスリーベース。続く大引にも甘く入ったシュートを一二塁間に抜かれ、1点を失う結果になった。(楽0-2オ)
3連打で無死満塁、2点を先制された・・・等というイメージからいえば、いまひとつかな?と思われてしまうものの、客観的にみれば、試合を作るという「求められている期待」にはしっかり応えたと言えそうだ。下柳が作った試合を、モノにするか?しないか?は下柳の預かり知らぬところで、その責任は打線側にこそある。
無駄なボール球を使わずに6回を球数73球と省エネできた点もプラス材料。今日のようなピッチングを今後も期待したい。
■楽天・下柳剛 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
小山、ハウザーが2イニングをピシャリ!
7回以降はブルペン陣が好投をみせた。
特に小山。オープン戦ではなかなか良い結果を残すことができず、シーズン入ってからの活躍に不安を抱いていたが、そんなこちら側の懸念を払拭する投げっぷりをみせてくれている。
3/30ロッテ戦、4/4ソフトバンク戦、4/5ソフトバンク戦とここまで3試合、3回2/3、打者12人に投げ、許したヒットは僅か1本。奪三振は3、与四球は1、0失点という内容。
今日も7回1イニング、バルディリス、伊藤、赤田という下位打線ではあったがピシャリと抑えてくれた。
紫の網掛け=空振り、黄緑の網掛け=ファウル
点数にすれば限りなく100点に近いのでは?という内容。白眉だったのは、アウトコースいっぱいに決まる速球。球威あるストレートで打者を押し、最後となった9球目、赤田から空振り三振に奪った球は147キロを計測。赤田のバットが球の下を通っていたことからもわかるように、スピンが効いていた、といえそうだ。
8回を任されたハウザーも上々。速球にカーブを織り交ぜ、オリックスの上位打線に仕事をさせず、3人で片づける。現在1軍登録されている中継ぎ左腕で信頼のおけるのは片山しかいない状況であるから、ハウザーが今後使うことができれば、片山(は昨日の登板で4連投だった)の負担も軽減されるはず。これを期待したい。
■オリックス・木佐貫洋 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Fo=フォーク、Cur=カーブ
9回、打者31人、球数95、被安打4、奪三振4、与四死球0、0失点
散発4安打に零封とくると、どうしても打線に元気がなかったというイメージになってしまうが、一方で木佐貫が好投していたのは、認めなければならないところだろう。
ボール球は73球のうち29.4%に当たる22球。3ボールにしてしまったカウントも僅か1打席と、ストライク先行の組み立てができていた。走っていた速球、キレのある変化球で楽天の打者を翻弄、ゴロアウトの山を築いていく。獲得アウト27個の内訳を確認すると、
ゴロアウト・・・14
フライアウト・・・8(内野5、外野3)
犠打・・・1
奪三振・・・4
と、理想的な内容。ここぞというところで低め、外角いっぱいに絶妙球が決まる瞬間が何度もあった。
打者の左右別でいえば、のべ14人の右打者は3本のヒットを放ったものの、のべ17人の左打者は初回に聖澤が記録した僅か1本止まり、左打者をほぼ完璧に抑え込んだのが、好投の1要因と言えそうだ。
■オリックス・木佐貫洋 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
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