〔記録〕楽天イーグルス・塩見貴洋投手 2011年 ゾーン・コース被打率、球種被打率
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楽天イーグルスの背番号11番、塩見貴洋投手の2011年ゾーン・コース別の被打率、球種別の被打率になります。
まずは右投手との対戦から確認します。
■vs右打者
被打率.238、被出塁率.272、被長打率.337、被OPS.609
376打数82安打、83三振、20四球、9本塁打


ここでは、
ピンクの網掛・・・塩見投手にとって有利なゾーン・コース
水色の網掛・・・塩見投手にとって不利なゾーン・コース
となっています。
有利な箇所は「ストライクゾーン高め」「インサイドのコース」「低めボールゾーン」、不利なゾーンはストライクゾーンの「真中」「真中低め」「外角中段」の3コースです。
下記に、直球・変化球別のゾーン・コース被打率を出してみました。

先日のエントリ「〔記録〕楽天・塩見貴洋が投げる内角ストレートvs右打者を分析してみた!〜2月9日「報道ステーション」での工藤公康氏の「投・球・術」を観て」でも確認しましたが、右打者に対してストレートがとても有効的だったことが確認できます。
右打者の内角ストレートの被打率は.178を記録しました。
一方、右打者の変化球は、ストライクゾーン内に入る変化球は被打率.336とかんばしくないものの(特にスライダーが打たれている)、ストライクから低めボールゾーンに落ちていくフォークは良く機能していました。上記図の最下段にあたる低めボールゾーンで右打者から変化球で三振を34個獲得していますが、そのうち32個がフォークによるものでした。
塩見投手というと、どうしても右打者のインサイドを果敢に突くクロスファイアーのストレートばかり注目されますが、ところがどうして、右打者へのフォークも魅力的なウイニングショットになっていた事実を、改めて確認できるのです。
その象徴となる試合がありました。Kスタでおこなわれた昨年の7/16オリックス11回戦です(試合評はコチラ)。
この試合、塩見投手は、打者32人に対し105球を投げて被安打6、被本塁打1、奪三振10、1失点のプロ初完投勝利をあげたメモリアルな試合でした。
特に奪三振10はプロ入り初の二桁奪三振となり、10個のうち実に8個が右打者からフォークで獲得した三振でした。
当時の河北新報を振り返ってみると、、、
春先から佐藤投手コーチの指導でフォークボールに磨きをかけてきた。「より体の前でボールを放し、腕を振り抜く」。頭では分かっている。練習でもできる。でも、どうしても試合で投げることができずにいた。
「きょうは初めてアドバイスを生かすことができた」と塩見。2カ月苦しんでつかんだ2勝目からわずか5日。本拠地でしっかりと成長の跡を見せた。
<嶋基宏捕手(塩見の投球について)>
「フォークボールが良かったので軸にしながら投球を組み立てることができた。初球からいい所に投げてくれるので常にストライク先行で行けた」
(河北新報2011年7/17「楽天・塩見 堂々初完投 フォークさえ3勝目」)
とあります。個人的な印象としても、塩見投手はこの試合を契機にフォークという引き出しを手に入れたように感じます。
さて、今季、塩見投手はキャンプでチェンジアップとスクリューボールの習得、磨きに力を入れていると報道されています。理由は「これまでゴロを打たせる球がなかった。この二つがものになれば、併殺も取りやすくなる」(河北新報2012年2/14「田中泰然、塩見自信 主力登板・楽天久米島キャンプ」より)とのことです。
そういえば、確かに塩見投手がゴロでゲッツーを取った回数は5回でした。
5/5ソフトバンク戦、5回1死1塁、小久保選手に対してショート併殺ゴロ
6/9横浜戦、4回1死2,1塁、金城選手に対してショート併殺ゴロ
7/16オリックス戦、5回無死1塁、坂口選手に対してピッチャー併殺ゴロ
8/2西武戦、9回1死1塁、坂田選手に対してセカンド併殺ゴロ
8/14ロッテ戦、1回1死2,1塁、今江選手に対してショート併殺ゴロ
この5回でした。(フライの併殺、9/27西武戦、5回1死1塁、銀仁朗選手に対してライトフライのゲッツーを入れれば5回)。
これは確かに一流投手と比べれば少ないように感じます。
例えば、ゴロで併殺をとりたい局面は、無死1塁、1死1塁、無死2,1塁、1死2,1塁、無死3,1塁、1死3,1塁、無死満塁、1死満塁、これらの塁状況のはずです。昨年この状況で対戦打者に凡打を打たせた回数は49ありました。そのうちゴロが16(うち5併殺)、フライが31(うち1併殺)、ライナーが2、フライアウトが多くなっているのです。
このチェンジアップとスクリューがフォーク同様、自分の球にすることができたら、右打者への投球の幅がさらにグッと広がることになり、狙いどおり併殺も取りやすくなるはずです。相手にとっては脅威になることは間違いなしです。ぜひとも完全習得してもらいたいですね。
ちょっと、脱線してしまいましたが、次に、vs左打者のゾーン・コース被打率、球種被打率を確認します。

■vs左打者
被打率.293、被出塁率.350、被長打率.450、被OPS.748
202打数62安打、30三振、14四球、5本塁打


一般に左投手は左打者を抑えて当たり前という風潮が球界には存在します。私は一概にそのように言うことはできないと思っていますが、バッターボックスに左打者を迎えた場面で、リリーフを送るとき、十中八九は左投手というのが現状です。
そのことを踏まえれば、塩見投手の左打者被打率.293は少し高すぎるかな?少し打たれすぎかな?という印象になってきます。
下記に、右打者同様、左打者の直球・変化球別にゾーン・コース被打率を出してみました。

これをみると、右打者には被打率.201と有効だったストレートが、左打者では1分跳ねあがって.318と悪化しています。右打者にはストライクゾーン高めでも有利に立てていましたが、左打者にはこのゾーンを打たれているのが確認できます。ストライクゾーン中段/真中の高さでも分が悪くなっていますね。
同様に変化球(特にスライダー)も「高め」「真中/中段」で打たれていますね。
これは、
・制球力が、右打者よりも左打者に対して甘くなっているところがある。
・右投手へのストレートやフォークのような絶対的な球種を、左打者対戦時に「発見」することができていない。
・(上記と関連して)左打者への球種が少ない。
というような理由が考えられます。
右打者に対してはチェンジアップ、スクリューを練習しているように、左打者に対しても何らかの新球種が必要かもしれませんね。左打者の内角に楔を打つためのシュート、もしくはツーシームのような球があれば、左打者へのピッチングも、昨年より楽になるかもしれません。
【終】
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