【試合評】 一発リスクを封じた岸孝之の安定感。嶋の判断ミスを救うベテラン藤田の美技~2017年6月18日○楽天イーグルス2-1阪神

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虎の子1点を守った交流戦の最終戦




交流戦最後のゲームが、今シーズン初の1-0勝利。

イーグルスの安打は単打ばかり5本だった。
対するタイガースも全てシングルヒットだったが、楽天の倍10本。
得点圏で楽天が送り込んだ打者が4人だったのに対し、阪神は倍以上の10人。
押される展開の、まさに1点を巡る厳しい試合展開になった。

1点リードした9回も、松井裕が登板しながら、2死走者なしからピンチを招き、ドキドキ...
2死3,1塁で代打・俊介のバットが快打一閃したときには、思わず目を閉じるほど...
左翼ポール際わずかに切れる快飛球になって、ハラハラ...

それでも、最後まで目が離せない2時間48分をモノにできたことは、交流戦を良いかたちでしめくくったという意味でも、金曜日から再開するリーグ戦へ向けて弾みをつけるという意味でも、大きな大きな勝利になった。

先発・岸は5勝目。
得点圏に走者を背負っての打者との対決9打席は、今季最多。
そのうち6者が中軸との対決になったが、いずれもしのぎ、楽天移籍後初の8回を投げ切り、無失点。
昨年から続くクオリティスタートの連続試合記録を「13」に伸ばした。

虎投手陣から撃った虎の子の決勝打は岡島だった。
6回1死2,1塁、1-2から外のスライダーを打ち返した。
直前に内角を3球連続真っすぐで攻め立てられ、腰を激しく引き、くの字で回避した場面もあったアット・バットだった。
その中、投げ込まれた外の球だった。
2塁ベースの左、遊撃の右を襲ったゴロ打球は、ショート・糸原の守備範囲を「執念」で破り、中前へ。
2塁から島内がホームを踏んで、この試合の決勝点が入った。

松井裕は両リーグ単独21セーブ目。
手に汗握らせてくれたピッチングになったが、実は松井裕、昨年5月27日の日本ハム戦から「1点リードの9回」に本戦含む合計18登板し、これまで失敗なしの18試合連続セーブ!
1点差で物凄い戦果を挙げている。

緊迫した試合を勝利で飾り、交流戦は10勝8敗の4位(パ3位)で終了。
交流戦戦績を3年連続の勝率5割以上で終えた。

各種戦績は、6月8勝8敗、ビジター19勝12敗、デーゲーム22勝7敗、先制した試合30勝7敗、楽天の安打数が敵軍よりも少ない試合7勝15敗、相手先発右投手32勝12敗、3連戦の3戦目12勝3敗に。

ゲーム差は2位・ソフトバンクと1.5、3位・西武と5.5、4位・オリックスと13.5、5位・日本ハムと15.0、6位・ロッテと22.5としている。

両軍のスタメン

楽天=1番・島内(中)、2番・ペゲーロ(右)、3番・岡島(左)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(一)、6番・藤田(二)、7番・三好(遊)、8番・嶋(捕)、9番・岸(右投)

阪神=1番・高山(中)、2番・上本(二)、3番・中谷(右)、4番・福留(左)、5番・原口(一)、6番・鳥谷(三)、7番・糸原(遊)、8番・梅野(捕)、9番・小野(右投)

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ミスった嶋のリードを救う、ベテラン藤田の美技




この日のスタメンに1番・茂木の名前はなかった。
前日の打席でファウルを打ったとき、右肘を痛めたことでスタメンを外れ、試合前にはすでに帰仙の途に就いていた。

茂木を欠く苦しい接戦。
そのなか、先発・岸を、チームを救ったのが、藤田の好守2連発だった。

まずは4回のこと。

1死後、6番・鳥谷に右前へ弾き返され、続く7番・糸原の打席時に二盗。
嶋の2塁送球も素晴らしく、微妙なタイミングだったが、間一髪セーフの判定。

そして、続く糸原への3球目、外のスライダーをコンタクトされてしまう。
水切りの石が水面を鋭く跳ねていくように、2塁ベース右、セカンド左を襲った球足速いゴロが3バウンドで中前へ抜けていこうかという打球だった。

抜ければ恐らく2塁から鳥谷が帰ってきたであろうシーン。
二塁手部門で過去3度ゴールデングラブ賞に輝いたベテランが積極果敢のダイビングキャッチ!
グラブに収めるやいなや、これまたこの人の特徴である1塁へ正確無比なスローイング!
ワンバウンドの送球をしっかりすくい上げた一塁手・銀次の捕球技術も素晴らしく、左打ちの俊足・糸原を1塁でアウトにするプレーになった。

もう1つは1点リードの6回無死1塁だった。

5番・原口との6球勝負。
わずか2球で早々追いこみながらも、そこから粘られていた。
そして6球目、外のスライダー。
コンパクトな軽打を許し、2塁ベース右をワンバウンドのゴイナーで抜けていこうかというヒット性。
これを先ほど以上の飛び幅で跳躍した藤田。
絶妙なタイミングによるダイビングキャッチでグラブに収めるやいなや、倒れ込んだままの華麗なグラブトス。
2塁ベースカバーに入った三好から1塁に転送される4-6-3のダブルプレー。
甲子園は歓声の後、ため息に包まれていた。

この2つの好守、救われたのは岸だけではない。
最も感謝しなければならないのは、マスクをかぶった嶋だろう。

糸原にしても、原口にしても、いずれも追いこんでから決めにいく球としてスライダーを選択していた。
その判断に首をかしげざるをえない。

岸のスライダーといえば、西武時代の全盛期はほとんど投げなかった球種である。
おそらく、ストレートやカーブ、チェンジアップと比べて、自身の中でも信頼性に欠ける球種だったのだろう。

スライダーと言えば、投手がストレートの次に多く投げるポピュラーな球種にも関わらず、たとえば2013年は6.8%しか投げていなかった。

西武の晩年から多投するようになり、2014年11.7%、2015年16.3%、昨年17.3%。
徐々にその割合を増やしてきたが、それでも昨年の空振り率は6.8%とNPB平均値を大きく割り込んでいた。
そして今年も本戦終了時で4.8%だ。

本戦でもスライダーで2本のヒットを打たれ、藤田好守でアウトになったとはいえ2本のヒット性を許したことからも分かるとおり、岸のスライダーはコンタクトされやすい球種だった。

嶋も、岸のスライダーは他投手と比べてワンランク下がるという認識はあるはずだ。
というのも、則本や美馬といった右投手には良くサインを出す右打者のインスラ。
嶋は岸に対してここまで1度もそのサインを出したことがないからである。

それなのに、要所でスライダーの使い方を誤り、ヒット性の当たり合計4本を許していた。
嶋には勝って兜の緒を締めてもらいたい。

(下記に続く)



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《岸孝之の投手成績》

8回、打者31人、球数110、被安打8、被本塁打0、奪三振8、与四球1、失点0、自責点0。

一発リスクを完全に封じ込めた中谷との4番勝負




これで今季成績は防御率2.23(リーグ3位)、10試合5勝2敗(5勝は同9位タイ)、WHIP1.05(同4位)、QS率100.0%(同1位タイ)になった。

本戦終了時での被本塁打率1.05はパリーグ規定投球回到達13人中、東京ドームで6発くらったロッテ・涌井を抑えてワースト。
この試合、ぼくは被弾が気がかりだった。
好投していても、何の前触れもなく被弾をくらうケースが多かった。

甲子園と言えば、名物の浜風。
この試合も、左翼から右翼に吹いていた。

そのなか、注目した対決と言えば、3番・中谷との4番勝負だ。

中谷といえば、直前の西武戦で5打席5安打をマーク。
このカードの初戦こそ4タコだったが、2戦目には2安打1四球を選んでいた。
そして、なによりも糸井と並んで阪神の中ではチーム最多7本塁打。
7本全てひっぱっての左翼席に叩き入れた当たりになっていた。

FB%はセリーグ100打席以上50人中1位の61.5%、HR/FBも11.1%を記録するフライボールバッターだった。
これ、神ってる広島の鈴木はFB57.5%、HR/FB13.9%。
中谷は鈴木に迫ろうかという似た数字だったのだ。

飛翔癖のある岸。
左翼から右翼に吹く右打者有利の浜風。
高いFB%を所持する右打ちの中谷。

そういう意味で、手に汗握る観戦になったが、結果は、空三振、空三振、二ゴ、右安。
インフィールドに打ち返されても引っ張らせずに右方向。
打たせた5本のファウルですらも、引っ張らせてのファウルを1本にとどめた岸。
ほぼほぼ軍配が岸に上がる、そんな4番勝負になっている。

1打席目は1回ピンチでまわってきた。
立ち上がり、いきなり1番・高山、2番・上本に連打され無死2,1塁の場面。
しかし、ここをしっかり空三振に取った。

初球はカーブを投じて見逃しストライク。
今シーズン、岸の初球カーブ割合が増えている。
昨年は13.2%だったのが、今年は19.0%。
しかも、そのストライク率は60.9%と高く、初球カーブでヒットにされたケースはここまでゼロ。

岸と言えばカーブというイメージがこれだけ流布する中、それでも打者はその初球でカーブを狙って打ちにいくケースはほぼないのだ。
この打者心理を逆手に取る初球カーブで多くのストライクを作ることに成功している。

初球カーブ後、2球から4球目まで内角狙いの真っすぐ3連投。
これでカウントを2-2と追い込むと、6球目低めのチェンジアップで見事に三振に取った。
実は直前の5球目、外角狙い真っすぐがシュート回転して真中に入る失投になっていた。
しかし、インコースを再三攻めたことで中谷が打ち損じてのファウル。
内角攻めの必要性を再確認させてくれる場面でもあった。

2打席目も3回1死2塁、得点圏での対決だった。
初球、外で様子見の真っすぐでボール。
2球目カーブ、3球目内角ストレートをいずれも打たせてのファウル。
1-2に追いこむと、ラストはチェンジアップ。
1打席目同様のかたちで空三振に取った。

第3打席はいまだにスコアレスの5回2死走者なし。
一発だけ警戒すべきシーンの4球勝負は全て外。
身体に近い球を引っ張らせずに外勝負という意図ある配球で、打たせて取る二ゴに退ける。

8回は1死1塁、高め失投ストレートを右中間に弾き返され、1塁走者の三進(ペゲーロもよく3塁送球したが、ウィーラーがこぼして間一髪セーフに)を許すシングルヒットで3,1塁のピンチを抱えたとはいえ、最悪は引っ張られての長打なので、そういう意味では及第点だろう。

この日、岸のストレート平均球速は142.4kmだった。
しかし、中谷との4番勝負で投じた真っすぐの多くは144km以上。
それだけ岸もこの打者は要注意と力を入れて抑えにいっていたということが言えそうだ。

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