【試合評】 岸のベストピッチが暗転したその理由~2017年5月21日●楽天イーグルス2-3ロッテ

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最下位ロッテに今季初カード負け越し




楽天は最下位ロッテを相手に2-3、今季5度目の逆転負け。
今シーズン初のカード負け越しになった。

これでチーム成績は1位、37試合26勝11敗の勝率.703。
各種戦績は、5月10勝6敗、ロッテ戦7勝3敗、ビジター戦績13勝7敗、先制した試合20勝5敗、7回終了時にリードしている試合21勝2敗になった。

ゲーム差は、2位・ソフトバンク(5月12勝5敗)と3.0、3位・西武(5月10勝7敗)と5.0、4位タイの日本ハム(12勝4敗)、オリックスと10.0、6位・ロッテと17.0とした。


アマダーの信頼度




1点を追った9回表、2戦連続でスタメンを外れたアマダーの今の信頼度を、如実に物語る場面があった。

2死走者なしと追い込まれていた。
しかし、一発出れば同点というシーンでもあった。
梨田監督の手元には、今季4ホーマーのアマダーが残っていた。
アマダーは2戦連続でスタメンを外れていたのだ。

敵軍マスクはこの回から田村。
アマダーvs田村といえば、昨年の対戦打率は.370、27打数10安打7打点、1二塁打、3本塁打、6三振1四球。
今シーズンも.238、21打数5安打6打点、2本塁打、6三振、5四球。
NPBで放った13本のホームランのうち、田村から5本を量産していた。
そのなかには、今年5月10日(○E5-0M)の満塁弾、昨年7月30日(○E5-4M)、2点を追った9回1死1塁で代打での起死回生同点2ランが含まれていた。

しかし、梨田監督が選択したのは、49番ではなく23番のカード。
代打・聖澤だった。
今季はフェンス直撃の長打は3本あるものの、ホームランはここまでゼロ。
打率.243、出塁率.282、IsoDは僅かに.039である。
普通に考えれば、聖澤が仕事をする確率は極めて少ない。
もし凡退に倒れたら、『一発秘めるアマダーという切り札』を手元に残しながらの敗戦劇になるところだったのだ。

実際は、背番号23がよく粘り、追い込まれてから外の速球をカット。
膝元に誘われたスライダーをグッと我慢。
内の根負けを誘う四球で出塁。
2死1塁になったところで、梨田監督は9番・田中に代えて、悔いなく代打アマダーを使うことができた。
しかし、そのアマダーはスライダーをひっかけての投ゴでゲームセット。
今季初のカード負け越しが決まった。

2戦連続でアマダーをオーダーから外し、空いたDHにペゲーロを起用。
ペゲーロが守っていたライトには新人・田中を当てはめた起用は、やっぱりペゲーロの腰の状態がイマイチ思わしくないのだろう。
DHで守備負担を軽減してペゲーロの復調を促したいという狙い。
と同時に、直近14打席でヒット単打1本というアマダーの状態がそれだけ良くないと首脳陣が判断しているからなのかもしれない。

一発長打だけが期待されている場面で、アマダーが代打に行けない。
そんな状態の助っ人を1軍に置いておく意味は、どこにあるんだろうか?

調子を取り戻させるためにも、アマダーを1度登録を抹消すべきだ。
代わりに2軍でイースタン首位打者の枡田慎太郎など、英気を蓄えている選手を1軍で見たい。
枡田はイースタンで打率.337、OPS.934だが、1軍通算投球回50イニング以上の実績を持つ敵軍投手との対戦でも打率.356、OPS.885と好数字を残している。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(指)、3番・島内(中)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(一)、6番・岡島(左)、7番・藤田(二)、8番・嶋(捕)、9番・田中(右)、先発・岸(右投)

ロッテ=1番・荻野貴(中)、2番・柴田(左)、3番・根元(一)、4番・井口(指)、5番・鈴木(二)、6番・清田(右)、7番・大嶺翔(三)、8番・吉田(捕)、9番・三木(遊)、先発・唐川(右投)

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孤軍奮闘は茂木ばかり...




チームは7安打。
茂木の孤軍奮闘ばかりが目立つ内容になった。
相手先発・唐川との対戦成績は昨年12打数5安打、3三振の打率.417。
今年も4月9日(○E4-1M)の対戦で3打数2安打、1本塁打、1四球の打率.667と打っていた茂木は、本戦も唐川から4安打、1得点、1打点と気を吐き、これで完全な唐川キラーになった。

プレイボール直後に茂木が一閃した初回先頭打者初球本塁打で9号ソロで、打線も活気づくと思われた。
しかし、変化球の60.4%を低めに集めた唐川を始めロッテ投手陣の前に、他の面々が沈黙。
4番・ウィーラー、5番・銀次、7番・藤田が各1安打。
2番・ペゲーロ、3番・ウィーラー、6番・岡島らが無安打。
ペゲーロはこれで45打席ホームランなしだ。
5回1死2塁では、初球甘く入ったカーブを打って出たが、イージーな中飛。
3月4月の好調時なら、間違いなくスタンドインだ。
打線全体の調子も下降曲線に入ってしまったか。
このカード、チーム打率は.216だった。


勝てる試合、勝ちにいくべき試合




それでも、初回に茂木の電光石火の一撃で1点先制。
4回表には藤田の中前巧打で2点目を入れ、先制、追加点と最低限の流れを実践した楽天。
直後の4回裏、岸が2死無走者から3連打を浴びて1点は失ったが、2-1のリードを保ち、終盤に突入した。

7回1死3塁を乗り切ったとき、僕らは勝てると確信した。

先頭の7番・大嶺翔、1-2と追い込んでからの内角低め厳しいストレート投球。
この難球を曲芸撃ちで左翼線へ弾き返され、送りバントで1死3塁のピンチ。
9番・三木に代えて代打・伊志嶺。
両軍ファンの多くが、ここはセーフティスクイズを仕掛けてくると見守った場面。
ところが、伊志嶺は全くそのそぶりをみせず、普通に打ってくれて普通に見三振。
後続の荻野貴も遊ゴ、これは正直、伊東監督の采配ミス。
勝てる試合だったし、勝ちにいかなければならないゲームだった。



《岸孝之の投手成績》

7回2/3、打者33人、球数119、被安打10、被本塁打1、奪三振11、与四死球0、失点3、自責点3。

暗転したベストピッチ




二桁奪三振は2015年9月8日オリックス戦以来。
二桁奪三振&無四死球は2013年6月1日ヤクルト戦以来。
絶妙なコントロールで奪った見逃しストライクは実に33個。
これ、今シーズン楽天先発投手のベスト記録だった。

なかでも平均143.5kmを計測したストレートの出来が絶品。
両打者のアウトローをピンポイントで突くコマンド能力も素晴らしく、33個の見逃しストライクのうち、25個が真っすぐで記録した。
驚くことに、奪った三振11個の結果球は全てストレート。
11個中7個がストレートで決めた見三振と、真っすぐを精度良く投げるお手本のような、まるで教科書のようなピッチングだった。

やっぱり、悔やまれるのは1点リードの8回2死1塁、主将・鈴木に浴びた逆転決勝2ランになる。
ボール先行2-1から内角低め狙いのスライダーが真中に甘く入ったところを狙い打たれ、打った瞬間の右越え2ランだった。

鈴木とは全4球、全て変化球勝負だった。
初球125km変化球がアウトハイに逸れてボール。
2球目、低めいっぱいに130km変化球が決まり、見逃しストライク。
1-1からの第3球は135kmスライダーで内角を厳しく攻めたが、ハーフスイングでボール。
そして2-1からの結果球も膝元狙いの134kmスライダーだった。
これが失投になってしまった。


■岸孝之 年度別 スライダーの各種指標


岸にとってスライダーは優先順位最下位の球種だ




岸のスライダーと言えば、近年は16~17%を投げていたが、2013年までほとんど投げない球種だった。
今シーズンもここまで9.5%止まり。
空振り率もNPB平均を大きく下回り、ストレート、スライダー、チェンジアップ、カーブを持ち球にする岸にとって、スライダーは「第4の球種」、言い換えれば、「信頼に乏しい球種」だった。
なぜあまり投げていなかったのか?は定かではないが、上手く操ることができない、納得のいく変化にならない等の諸事情があったのだろう。

そんな球種をあのボール先行場面で用い、不用意に投げ損なったところを痛打されたのだから、もったいないことこの上ない。


鈴木との対決が変化球勝負になった理由




なぜあの場面、全4球変化球と慎重配球になったのか?
なぜストレートを使わず、信頼に欠けるスライダーを選択してしまったのか?

しかし、これには伏線があった。

本戦では鈴木に第1打席、第2打席とヒットを打たれたが、いずれも結果球はストレートだった。
3打席目の中飛も、真っすぐを芯で捕まえた打球。
飛んだところが、センター島内のほぼ正面というだけで、良い当たりを許していた。
もっと言えば、前回4月9日の対決時、ストレートでホームランを打たれていた。

この回を投げ切れば9回は松井裕という場面で、1塁走者・井口の生還をさせないためには?と考えた結果が、一転の変化球勝負だった。
恐らくこういうことだったと思う。

もしそういうことなら、慎重を期すなら、徹底して慎重にいくべきだった。
長打リスクのある内角は使わず、外角低めの出し入れでやりくりすべきだった。
とくに岸のスライダーは左打者に対して今季空振りをわずか1球しか奪えていない。
コンタクトされる危険性が大きかった。【終】


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