新天地で糸井嘉男は成功できるのか? 夢見るトラキチは直視すべき、 屈指の左打者に待ち受ける「甲子園3つのハードル」

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新天地で糸井嘉男は成功できるのか?





こんにちは。@eagleshibakawaです。

楽天に関する、あらゆるデータの収集を標榜する、鷲ファンきってのデータマン&野球ブロガーです。
ブログやnote、まぐまぐスポーツ・アウトドア有料版ランキング常時TOP10入りするメルマガ運営と並行して、「週刊野球太郎」「ベースボールチャンネル」など野球専門メディアへの寄稿も実施しています。

今回は、「超変革」をスローガンに掲げる金本知憲監督率いる阪神タイガースについてです。

オフ最大の目玉といえば、FA宣言した糸井嘉男選手の入団ですよね。
その契約は4年総額18億円超と言われています。

まず、結論から言うと、ぼく、新天地で糸井選手がキャリアハイ級の好活躍をするのは「難しい挑戦」では?と思っているんです。





夢見るトラキチのみなさんよ、現実を直視しよう!





もちろん、NPBの当世を代表する左打ちの外野手だと思っていますよ。
4842打席で積み重ねた安打数は1251本。生涯打率は.301です。
4000打数以上の現役選手で生涯打率3割超えは、他には内川聖一選手しかいませんから。
通算OPSは.852と素晴らしいです。
首位打者1回、最高出塁率3回、盗塁王1回、ゴールデングラブ賞7回、ベストナイン5回と、数々の主要タイトルも取り、侍ジャパンでもプレーしました。

35歳シーズンの昨年も、打率/出塁率/長打率で.306/.398/.451。17本塁打、70打点、53盗塁の好成績で健在ぶりをアピール、疑いようのない球史に名を残す一流選手です。

昨年の金本阪神、得点力不足に泣きました。
投手陣がリーグ2位の防御率3.38と奮投をみせながらも、打線が同最下位の打率.245と低空飛行。
このことが響いて、4年ぶりBクラスに沈みました。

その弱点を補って余りある存在が、糸井選手なのですから、トラキチのみなさんのボルテージもウナギのぼりなのは、よくわかる。

糸井選手の鼻息も荒く、昨年11月25日の入団会見では、金本監督が37歳で自己最高の成績を挙げたことに触れ、「僕もキャリアハイを目指して頑張りたい」と決意表明。金本監督も「打てて、守れて、走れる選手。思うように、好きなようにやってくれたらいい」と大きな期待感を寄せました。

しかし、本当に糸井選手は甲子園でキャリアハイ級の好活躍を挙げることが可能なんでしょうか?
というのが、本稿の趣旨です。

で、ぼく、冒頭に述べたとおり、「かなり難しい挑戦」だと思っているんです。
そんな「無理ゲー」といってもよい難作業を、以下でご説明申し上げます。


※記録集計に当たり、「プロ野球ヌルデータ置き場」さんを参照しました。m(_ _)m


▼ウェザーニュースのウェブサイトのキャプチャより。記事「青空も球児を応援!いよいよ夏の甲子園が開幕」では、甲子園の浜風が左打者不利と出てくる。



1:甲子園に吹く左打者泣かせの浜風





ライトからホームに吹く甲子園名物の浜風。
左打者が引っ張りにいったライトへの打球が、逆風になる浜風の影響で失速したり、押し戻されたりして、スタンドまで届かないというケースがよくあります。

2015年のプレミア12では侍ジャパンの4番、昨年はセリーグの二冠王に輝いたDeNAの筒香嘉智選手。
ここまで通算110本塁打を放つ左の強打者も、甲子園でのホームランはわずかに1本にとどまります。(152打席、打率.246)

浜風に苦しむ左打者は、筒香選手だけではありません。
下記表をご覧ください。


■2016年 セリーグ左打者の球場別打撃成績
※投手の打席、両打ち打者は含まず。



こちらは、2016年セリーグ左打者全員の打撃成績を記録集計し、球場別で算出したものになります。

2016年、セリーグ左打者の平均OPSは.710、平均打率は.265でした。
しかし、甲子園ではOPS.634へ、打率も.248へ大きく下落。
これらはいずれも球場別でワースト値です。

ホームラン1本当たり何打席かかるか?という発生頻度を表す「打席÷本塁打」でも、セリーグ左打者平均59打席に1本のところ、甲子園では94打席に1本という低い頻度。これは球場別ワースト2位でした。

正直、昨年セリーグ左打者が甲子園で残したOPS、打率は、低すぎです。
こんなに低すぎの数字が2年連続で今年も続くわけはありません。
しかし、本塁打の発生頻度は、昨年も92打席に1本でしたから、ホームランの発生頻度は今年も92~94打席で1本の低い頻度になることが予想されるのです。

まさに、甲子園の浜風は、「左打者泣かせ」なのです。

糸井選手も、御多分に漏れずです。
ここまで甲子園48打席で記録した打撃成績は、下記表のとおり、OPS.683、打率.231、長打はホームランの1本のみでした。
通算OPSが.852、同打率が.301の名打者とは思えないほど、低い成績ですよね。


■糸井嘉男 甲子園での打撃成績
20170117DATA03.jpg


2:金本監督が明言するセンター起用問題





2番目に大きいのは、起用方法です。

入団会見前から、金本監督が正中堅手起用を確約したのは、正直、下手を打ちましたよね。
自らの采配に、自ら手かせ足かせをはめてしまっているようなもので、気がかりです。

糸井選手のセンター構想の背景には、どうやら福留孝介選手の起用問題があったらしいんですよね。

報道によると、昨年、正右翼手として素晴らしい働きをした福留選手を、金本監督は当初1塁コンバートしようと考えていたらしいのです。しかし、福留選手の固辞に遭い、空いたライトに糸井選手を当てはめるというプランが頓挫。
やむなく、糸井選手をセンターで使わざるをえない状況になったらしいのですが、これ、金本監督が何が何でも福留選手を説得すべき案件だったと思います。

というのは、糸井選手が正中堅手としてプレーしたのは、6年前の話なんですよ。
日本ハム在籍時、30歳だった2011年、136試合でセンタースタメン出場したのを最後に、糸井選手の正中堅手起用はありません。

2012年以降687試合でスタメン出場していますが、その内訳はライト552試合、DH86試合に対し、センターはわずか49試合。昨年はセンターでのスタメンはゼロでした。

それに、オリックス移籍後、加齢や左膝痛などの怪我に見舞われることもあり、ライトでの守備成績も、かんばしくありません。(下記表参照)


■糸井嘉男 年度別 右翼UZR
訂正:表中の年齢が誤ってます。正しくは、2015年34歳、2014年33歳、2012年32歳です。



かつては強肩と恐れられていた肩も往時の威力を失ったかのようにみえます。
昨年の6月29日、信じられない光景がありました。
楽天のルーキーに右前単打コースの当たりで一気に2塁まで進まれてしまう拙い守備を見せました。

30代半ばになり、20代のときとくらべて体力回復も遅くなった。
頻発する怪我にも襲われるなか、ライトの守備ですら苦戦を強いられている。
それが、糸井選手の現状です。


それなのに、両翼よりも広い守備範囲と多大な運動量が要求されるセンターで、シーズン通して勤まるのでしょうか?

糸井選手と同じアスリートタイプの名選手といえば、楽天の松井稼頭央選手が思い浮かびますが、あの松井稼選手も41歳を迎える昨年、センターで起用されたことが原因で右膝を負傷し、成績が下落してしまいました。

NPB全体の35歳以上選手の起用例も、ごくわずかです。

2007年以降の過去10年間、NPBで35歳以上選手が正中堅手を務めた例は、2007年の広島・アレックス選手(35歳)の73試合、2011年の横浜・金城龍彦選手(35歳)の56試合、この2例でした。
この2例とて、100試合に遠く及ばない数字です。

はたして糸井選手は「35歳の壁」をクリアして、正中堅手の任務をつつがなく遂行できるのでしょうか?

負担大のセンターでの起用は、打撃成績にも悪影響を及ぼす恐れがあるのでは?と心配です。


20161126DATA01.jpg


3:屋内球場から屋外球場へ





3番目は、本拠地球場が自身初の屋外球場になることです。

日本ハム、オリックスの2球団でプレーした糸井選手の本拠地は、ここまで札幌ドーム、京セラドームと、いずれも屋内球場でした。

地球温暖化の影響で年々暑さが厳しくなる夏場でも、空調完備された屋内球場でプレーすることができたわけです。
楽天やロッテ、西武といった屋外球場の他球団選手と比べたら、夏バテに代表される外的環境にあまり影響されず、コンディション作りも容易にできたと言えるわけです。


▼気象庁のデータをもとに作成。甲子園のある西宮の数値がなかったため、大阪の数値を用いた。昨年、大阪の猛暑日は、過去6年平均15日だったところ、26日で記録され、真夏日も74日のところ81日で記録された。
20170117DATA05.jpg


そのなか、36歳を迎える年に、屋外球場=甲子園をフランチャンズにする決断は、はたして吉と出るのか?どうなのか?という疑問が残ります。

しかも、8月にはタイガース宿命の「死のロード」も。昔と比べて、京セラドームで主催試合を行うなど緩和されつつあるとはいえ、厳しい日程であることには間違いありません。

「夏を制する者は受験を制す」とよく言われますが、これ、プロ野球でも全く同じで、糸井選手の場合、多くの選手が夏バテなどで状態を落とす7月8月に例年好成績(通算打率.304)を残したことが、生涯打率.301を作り上げてきました。今年も継続できるのでしょうか。


まとめ





というわけで、まとめです。

阪神入りを決断した糸井選手ですが、糸井選手がキャリアハイ級の好成績を残すには、甲子園で待ち受ける3つのハードルをクリアする必要があると思うのです。

その3つとは、

  1. 甲子園名物、左打者泣かせの浜風の影響

  2. 金本監督が明言する正中堅手起用の影響

  3. 外的環境の影響を受ける屋外球場の影響


いずれも、高くて険しきハードルです。

「超人」と言われる糸井選手ですから、この難作業を成し遂げてくれる可能性はあります。

しかし、今年の秋、その好成績をぼくらが見たとき、「やっぱり、糸井だよな」と簡単に考えてはいけません。

人間は常に劣化と戦っているという思想を覆し、これら3つの障壁を乗り越え、難作業のなかで掴んだ、糸井選手の「汗と努力の結晶」と、押し頂くように評価すべきだと思うのです。

というわけで、今年は36歳を迎える糸井選手が、大きな環境の変化のなかで、どこまで活躍するか、じっくり楽しみたいと思うのです。

※じつは、第4のハードルもありました。続編はこちら。【終】




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No title

金本とは言わないまでも福留くらい働いてくれれば御の字・・・てところでしょうか。まぁ福留も最初の2年弱(2年目の8月まで)は故障もあってメロメロだったんですが
しかし、センター起用はホンマかよって感じですよね。まだ指標的にはセンター孝介の方がマシになる可能性すらあるのかもですが
レフトで壊滅的なUZRを誇る高山がイニング数の少なさからかセンターだとそこそこ守れてたりするので、その辺も考えてほしいんですけどね

Re: No title

哲さん

> レフトで壊滅的なUZRを誇る高山がイニング数の少なさからかセンターだとそこそこ守れてたりするので、その辺も考えてほしいんですけどね

左翼UZR-9.0、UZR1000で-10.4とは、頭の痛い問題ですよね。
ただ、高山選手はルーキー、ポテンシャルも秘めた若手ということを考えると、今年もレフト固定のはず。
そうなると、左翼=高山、中堅=糸井、右翼=福留になり、中堅糸井のリスクは本文に書いたとおりですし、福留選手もいつなんどき成績下落してもおかしくない年齢なわけで。
下手すると、外野3ポジションが思うように機能せず・・・という最悪なシナリオも。

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