まだ連投で消耗してるの? 悲願の3位に導いたハマのラミレス采配。じつは酷使すぎるブルペン起用だった件

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新米監督がみせたリリーフ陣への異なる起用法





こんにちは。楽天ファンきってのデータマン/ブロガー@eagleshibakawaです。

ブログ、note有料メルマガの運営と並行して、「週刊野球太郎」「ベースボールチャンネル」など野球専門メディアへの寄稿も行っています。

今年のプロ野球、1年終わってみれば「神ってる」と「大谷翔平」に独占されましたね。
しかし、監督就任1年生も話題になりました。

なかでも、阪神・金本知憲監督と、DeNAのアレックス・ラミレス監督。
この2人、じつに対照的でおもしろかったですよね。
藤浪晋太郎投手に1試合161球を投げさせるなど酷使が批判された金本監督は、まさに旧態依然の権化といった感。
一方、ラミレス監督は、データを参考にした采配を振るい、進取の気性に富んだ新世代の指揮官像をみせました。

しかしですね、データを調べてみると、一概にはそうは言い切れないんですよ。

ある局面では、古き価値観の象徴・金本監督が、時流に即したスマートな采配を振るいました。
一方、一躍新旗手の筆頭に躍り出たラミレス監督が「えっ?!」というような疑問符のつきかねない起用をみせたのも、事実だということが判明しました。

なんの話か?!というと、リリーフ投手の連投問題なんです。

ここ2年、交流戦による飛び石日程が解消となり、3連戦以上のスケジュールが増えました。
それにともない、リリーフ陣の存在価値は、従来と比べて上昇しているように感じます。
そのなか、長丁場のペナントレースを戦い抜く上で、各球団はそのコンディションに気を配るなど試行錯誤を繰り返しながらも、リリーフ投手の起用方法について最適解を導き出そうと努力しています。

救援投手のコンディションで注意すべき要素は、

  • 登板数

  • 投球回(回またぎの数)

  • 球数

  • 試合中におけるブルペン準備



といった要素が挙げられます。

試合中におけるブルペン準備とは、ゲーム開始後、リリーフ陣がどのようなタイミングで肩を作っていくか?ということ。

たとえば、西武のリリーフ陣はマウンド上の投手が失点したタイミングで肩を作り始めるのに対し、中日は6回終了までに全リリーフ投手が1度は肩を作り、そこから試合状況に応じて再び肩を作っていくのだそうです。
当然、後者は1試合に複数回肩を作ることになり、そのぶん、リリーフ陣の疲労も大きくなるでしょう。
(詳細は下記のロバートさんnoteを参照)


◎《参照記事》6/11観戦記@西武D:中日と西武に見られたブルペン運用の違い (ロバートさんnote)


連投起用数でみたセリーグ各球団別ブルペン運用





ぼくは、これらの条件に加えて、


  • 連投/登板間隔



も大きなファクターだと思っています。

本稿で言う連投とは、カレンダーどおりの連投を指します。
下記図をご覧ください。





上記日程で登板したリリーフ投手の場合、月曜日の移動日を挟んで3試合連続登板になります。
このケースも3連投と言われますが、ここではカレンダーどおりの定義にするため、2連投になります。

今回、そのカレンダーどおりの定義で、セリーグ各球団の連投数を調べてみました。

その結果を表にまとめてみました。


■2016年 セリーグ チーム別の連投数
20161215DATA01.jpg


表中、救援負担率とは、チーム全体の投球回に占めるリリーフ陣の負担割合になります。この割合が多ければ多いほど、リリーフ陣の負担が増しているということです。

のべ起用数は救援登板数の合計数になります。
たとえば、広島の場合、単発247+2連投57+3連投13=317で、のべ起用数400と合いません。これはカウント方法が異なることによるものです。上記図のスケジュールでいえば単発2回、2連投1回ですが、のべ起用数では4人になるからです。


ブルペンに負担を強いたラミレス監督





こうしてみると、一見、データに基づいたスマートなタクトを振るっていたようにみえたラミレス監督のDeNAは、じつは連投という意味ではリリーフ陣に負担をかけていたことがわかります。

今年8月24日のスポナビライブで放送されたザック生馬さんによるラミレス監督インタビュー。
そこで、ラミレス監督は「他チームではリリーフピッチャーを週に3、4試合、時には5試合使っているところもありますが、理想は2、3試合、多くても4試合くらいで、ベストは3試合だと思っています」と自らの野球観を語っていました。
しかし、実際は、リリーフ陣に数多くの連投を強いていた。

じつは、今年のDeNAは先発陣が長い回を投げたため、救援負担率はリーグ最少の30.2%でした。
リリーフ陣が受け持った投球回は、同最多37.1%のヤクルトと比べると、約66イニングも少なかったのです。
にもかかわらず、リリーフ陣の単発登板はリーグ最少の203回にとどまり、2連投以上の起用はリーグ最多の93回もありました。

なかでも、セ他球団では記録がなく、パでも1回のみだった5連投がDeNAでは2回も記録されました。
調べてみると、8月3日~7日の5日連続です。
田中健二朗投手、三上朋也投手がそろって登板、試合終盤の僅差リードの展開で腕を振りました。
当時はチーム3位。上の巨人を追いかけ、下から迫る阪神を振り切るため、悲願のAクラス戦線を必死に戦う渦中にありました。


連投で消耗したハマの若き守護神





ちょうどこの時期、守護神・山崎康晃投手が絶不調でした。 (8月月間防御率15.12)
やむをえないチーム事情だったのでしょうが、その山崎選手にパフォーマンスを落とすほど無理をさせすぎたのも問題あったのでは?と思います。

山崎投手は1年目の昨年58試合に投げましたが、3連投は3回でした。
しかし、2年目の今年は3連投は2回だったものの、1年目に経験のない4連投が2回もありました。

下記表は、山崎投手の投手成績を、連投別に分類したものになります。


■DeNA 山崎康晃 連投別 投手成績
20161216DATA08.jpg


ご覧のように、成績が最も安定しているのは単発登板(連投初日)です。
連投2日目以上になると成績が悪化、今年は連投3日目以上だと防御率はじつに9.53でした。
この傾向は、抜群の成績を挙げた昨年でも同様です。
(連投3日目以上は3イニング無失点ですが、連投2日目は防御率2.93でした)


中畑監督と比べても、4連投以上が多かった





ラミレス監督の連投起用を、中畑清前監督と比べてみましょう。


■DeNA 2015~2016年 リリーフ陣の連投起用数



昨年は救援負担率が35.9%と高く、投球回で今年と比べて70.1回も多い455.1回をリリーフ陣が受け持ちました。
にもかかわらず、起用されたリリーフ投手ののべ数は今年より13人も少なく、単発登板は今年よりも51人多かったのです。
今年あった3連投、4連投が1度もなく、多くても3連投どまりでした。

昨年は結果的には最下位でした。3位とのゲーム差も8.0でした。
しかしながら、8月上旬の段階では4位、3位とのゲーム差もわずかに2.5とAクラスを視野に収める順位でした。
開幕からズルズル引き離され、オールスターを待たずに完全終戦という状況なら、リリーフ陣に4連投以上の無理をさせないということもあるでしょうが、少なくとも8月上旬まではチャンスがあった。
そのなか、リリーフ陣のやりくりを3連投以内に収めたのは、中畑監督の中で4連投以上はNG案件だったのでしょう。


金本監督「ラミちゃん、まだ連投で消耗してるの?」





一方、阪神・金本監督です。

救援負担率は31.6%、DeNAとほぼほぼ同じ割合でした。
救援投手ののべ起用数もDeNAとほぼほぼ同じの414人。
しかし、単発登板はヤクルトと並ぶリーグ最多264回。
連投は70回とリーグ2位の少なさで、4連投以上はなし。
3連投も10回と少なかったのです。

金本監督は藤浪投手など先発陣には厳しい起用を強いたのでしょうが、一方でリリーフ投手にはコンディションに配慮した起用を実施していたのではないかと思うのです。

その証拠を下記表にまとめました。
今年セリーグで50試合以上リリーフ登板した投手21人の連投起用数です。


■セリーグ 2016 救援50登板以上リリーフ投手 連投起用数



多くの投手が3連投以上を複数回経験していますが、阪神の投手だけ極端に少ない。
マテオ投手は今年52試合55回で防御率1.80、8ホールド、20セーブ、WHIP1.16という素晴らしい成績でしたが、3連投以上の起用は1度もありませんでした。

もしかしたら、契約時に3連投以上はNGの条項があるのかもしれません。
しかし、個人的には金本監督が配慮をみせたと思いたいです。

前任の和田豊前監督との比較です。


■阪神 2015~2016年 リリーフ陣の連投起用数



和田監督の起用と比べても、金本監督はリリーフ陣になるべく連投を強いない起用だったと言えそうです。
この起用法が、前年から大幅改善され、リーグ3位だった3.29の救援防御率を生み出すのに一役買ったはずです。

こうしてみると、金本監督は、藤波投手の酷使問題など看過できない起用はありましたが、トータルでみると、野手出身の新米監督ながら、ベターな投手運用を実施していたのではないか?と思えるのです。

まあ、この辺りは、熱心にタイガースをウォッチしているわけではないので、あくまでも数字を見た限りでの判断ではあるのですが。


苦しい中、ポリシーを守ったヤクルト真中監督





最後に、先発陣も投壊、救援陣も瓦解する、苦しいシーズンになった真中満監督のヤクルトでみてみましょう。

前年比でリリーフ陣の連投起用数をみてみましょう。


■ヤクルト 2015~2016年 リリーフ陣の連投起用数



先発投手陣のQS率は昨年51.0%から今年41.3%まで激減、同防御率も3.68から4.96へ大幅悪化しました。
これだけ先発陣が崩れると、リリーフ陣の負担は一気に増しそうですよね。
実際は、あまり増えていません。投球回では前年比19.1回の増にとどまりました。

先発陣が打ち込まれても、ある程度ひっぱり、リリーフ陣に過剰なしわ寄せが起きないような投手運用をしていたと言えそうです。

ルーキーイヤーからフル回転、今年も70試合70回で防御率2.19の大活躍だった秋吉亮投手。
その勤続疲労が懸念されるところではあるのですが、3連投は5回ありましたが、4連投はゼロ。
首脳陣はギリギリの配慮をみせる運用だったと思います。

一方、ここ10年パリーグで唯一の例になった3年連続65登板の楽天・福山博之投手。
3連投以上の起用が合計5回、昨年は1度もなかった4連投2回、3連投3回という内訳でした。
梨田昌孝監督による福山投手の起用と比べると、真中監督は秋吉投手の疲労を逃がす最低限の配慮はあったのかな?と思うのです。

以上、今回はリリーフ投手の運用の中でも、連投に視点を的を絞った考察をしてみました。

オフの間の、みなさんの野球談議の叩き台、ネタの1つにでもなれば、これ幸いです。【終】


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No title

そうなんですよねー。藤浪161球の時にshibakawaさんとtwitterでやりとりしたと思うのですが、金本政権はMLB的投手運用を目指してはいるっぽいんですよね
なので、藤浪の161球もおそらく「論理的に考えて」した判断なんだとは思います。あの登板の前の週は106球、次の週はオールスターということもありましたし(DELTAのメルマガでも1試合だけなら酷使ではないのでは?とありましたね)
因みにあの試合の翌日翌々日も先発投手が速攻ノックアウトでリリーフ陣を酷使することになったので、結局藤浪を引っ張ったのは正解だったというオチでした

しかし「藤浪本人に行けるかどうか訊いて」っていうところは残念でしたねー・・・

Re: No title

哲さん

いやはや、当時は、ぼくも金本鬼畜采配!とかDELTAメルマガ何言ってんだ!とか憤っていたのですが、ものごとは冷静に多面的に見ないとわからないものですね(汗)
阪神の監督、あのキャラということもあって、意外や意外ウラでは色々考えているのに、色眼鏡で見られる不遇は多いのでしょうなあ。

> そうなんですよねー。藤浪161球の時にshibakawaさんとtwitterでやりとりしたと思うのですが、金本政権はMLB的投手運用を目指してはいるっぽいんですよね
> なので、藤浪の161球もおそらく「論理的に考えて」した判断なんだとは思います。あの登板の前の週は106球、次の週はオールスターということもありましたし(DELTAのメルマガでも1試合だけなら酷使ではないのでは?とありましたね)
> 因みにあの試合の翌日翌々日も先発投手が速攻ノックアウトでリリーフ陣を酷使することになったので、結局藤浪を引っ張ったのは正解だったというオチでした
>
> しかし「藤浪本人に行けるかどうか訊いて」っていうところは残念でしたねー・・・

これパリーグ版も見てみたいです

Re: タイトルなし

あさん

> これパリーグ版も見てみたいです

パリーグ連投調査は下記URLで実施しました。
タイトルはこんなんなっていますが、同じ手法で調査し、各球団にコメントをつける形にしています。

有料コンテンツのため、申し訳ないのですが、ご興味があればどうぞ。


◎このままだと画竜点睛を欠く楽天の今オフ補強事情。FA岸入団など投手力補強着々も、作った仏に「魂」を入れてこそ!という話
https://note.mu/eagleshibakawa/n/nd65f05a75356
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