【試合評】 釜田佳直、逞しさを増したメンタルの成長~2016年4月10日○楽天イーグルス1-0日本ハム

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大谷翔平を接戦で降し、単独1位に返り咲き

1勝1敗で迎えた3連戦の第3戦。桜満開の仙台地方。その日曜日のデーゲーム。コボスタには24,370人の大観衆を集めた。その中、イヌワシ打線に立ちはだかるのは、大谷翔平。楽天戦の通算成績は9試合4勝1敗、防御率2.20、WHIP0.99。コボスタでは6度先発して3勝。負けがなかった。

戦前から厳しい試合が予想された。事実、1点を争う超ロースコアの展開になった。しかし、粘り強く戦った楽天は、釜田佳直と茂木栄五郎、同世代による投打の活躍で難敵を退け、今季初の1-0で勝利。3カード連続の勝ち越し、そして球団通算700勝のメモリアルゲームにもなっている。

これで対戦カードが1まわりした。チーム成績は13試合8勝4敗1分、貯金4。昨日1位に立った西武が本日ロッテ戦に敗れたため、イーグルスがホームゲームで再び単独首位に返り咲くかたちになった。

(下記へ続く)

両軍のスタメン

日本ハム=1番・西川(左)、2番・杉谷(中)、3番・田中賢(二)、4番・中田(一)、5番・近藤(右)、6番・レアード(三)、7番・大嶋(指)、8番・大野(捕)、9番・中島卓(遊)、先発・大谷(右投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・聖澤(中)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(左)、5番・今江(三)、6番・茂木(遊)、7番・ゴームズ(指)、8番・後藤(二)、9番・嶋(捕)、先発・釜田(右投)

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外野手の拙守から生まれた両軍無死2塁のピンチ

両軍、相手外野手の拙守による無死2塁からの先取点攻防になった。

最初にピンチを迎えたのは楽天だった。

2回表、4番・中田の飛球を左翼線沿いでウィーラーが追いついたかにみえた。しかし、グラブに当てて、まさかの落球。この後、進塁打で中田に三進され1死3塁、打席には6番・レアードを迎えていた。4月に入り27打数9安打の打率.333、放ったヒット9本のうち二塁打2本、本塁打4本。直近3試合連続本塁打。長打目覚ましい「青い目の寿司職人」を、ショート茂木守備範囲内のライナーアウトに打ち取ると、プロ初スタメン7番・大嶋にはその闘志を打ち砕く厳しいインコース攻めを見せ、完全に差し込ませての三飛に仕留め、ベンチに帰ってくる。

4回裏、今度は日本ハムに拙守が飛び出した。

先頭の4番・ウィーラーの当たりは左中間へ。この飛球をセンターの杉谷がチャージをかけ、球際でダイビングキャッチを試みたが及ばず。球が後逸する間、ウィーラーは楽々2塁に進んだ(記録上は二塁打)。この後、5番・今江がベンチの右打ち指示にしっかり応え、ウィーラーを3塁に送り込むと、打席は6番・茂木。1打席目に大谷翔平の148km速球を中前へ弾き返した「小さな侍」が、本戦両軍通じて唯一の得点を見事に「もぎ」取る、見応えありのシーンになった。

仕留めたのは初球136kmのフォークボール。低め狙いが失投になり、ストライクゾーンに浮いたところを、恐らくストレート狙いだったのだろう、タイミングを外され気味になりながらも、上手くセンター返しの意識で打ち返した。

ゴロ打球が内野前進守備を敷いた遊撃・中島卓と2塁ベースの間を悠々破っていく。3塁からウィーラーが楽々決勝ホームを踏んだ。(楽1-日)(映像はコチラ)

楽天の決勝点の伏線は、激戦になった昨日の第2戦にあった。

5回の走塁時に陽が3塁に滑り込んだとき左足を痛めたことで、本戦のセンターは陽ではなく杉谷が守っていた。レギュラーが約束されている陽と、激しい競争の中でアピールを続けなければ淘汰される宿命の杉谷の不安定な立場。その差があの場面に現れた。もし陽なら無理せずシングルヒットに抑えていたはずである。杉谷の気負いが、楽天に先制点の好機をもたらしたと言える。

■茂木栄五郎 速球 変化球 打撃成績
※2016年4月9日終了時


決勝点をもぎ取った茂木栄五郎の槍働き

そして、数少ない好機(実際、楽天のチャンスは初回と4回だけだった)で見事に「もぎ」取った茂木栄五郎のバッティングは、貴重な経験になる一打になった。

というのは、上表をを見て欲しい。ここまでの茂木は速球でOPS1.096、打率.407の戦果を挙げていたが、変化球では.258、.050に終わっていた。変化球での唯一のヒットは4月5日オリックス戦で西のチェンジアップを上手くひろって右前に運んだその1本だけだった。それだけに、変化球撃ち2本目の安打が、あの大谷翔平のフォークを仕留めたという事実は、茂木に大きな力を与えてくれるはずだ。

さらに付け加えると、初の初球打ち安打になっている。

茂木はここまで初球54球中、スイングしにいったのは20.4%の11球。そのうち5球がインプレー打球になり、全てがイージー凡打になっていた。初球スイング率20.4%はやや待球姿勢という印象になる。これは当然そうなるのだろう。というのは、相手投手は初顔合わせの投手ばかりだからだ。まずは初球は球筋を見たいという意識が働くことのほうが自然である。

ところが、この場面ではエビデンスを持って積極的に初球から打って出た。背景にはお立ち台で本人が語った「1打席目にヒットを打っていたので、良いイメージを持って打席に入りました」というところが大きいのだろう。

チームは6安打。ウィーラー、茂木の他には聖澤、銀次、嶋が1安打を放った。

聖澤は0-2と追い込まれてからの苦手インコース149kmをコンパクトで力強い打撃で中前へ弾き返した。銀次vs大谷翔平の同郷岩手対決は過去27打数11安打、2二塁打、4三振、1四球の対戦打率.407だったが、そこに3打数1二塁打1三振を付け加えて、30打数12安打、3二塁打、5三振、1四球の打率.400とした。そして嶋はお得意の右打ちで154kmを仕留めている。

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大谷翔平の空振り率10.4%は今季ワースト値

8回、打者28人、106球、被安打6、被本塁打0、奪三振8、与四死球0、失点1、自責点1。

6日西武戦で両足首をひねった影響なのかマメの影響なのか、新しくなったコボスタのマウンドとの相性の問題なのか。本戦の大谷は本調子とは言えなかった。低めを狙ったストレートは完全に低めに外れるケースが多く、変化球はホームベース手前に叩きつける形のワンバウンド投球になる場面も目立っていた。

コマンドに苦しんだことで、下記表が示すように今季3登板中で最も少ない空振り率になった。楽天打者は大谷翔平から11個の空振りを喫したが、ここで注意すべきなのはゴームズ1人だけで実に6個の空振りを計上していたこと。逆に言えば、ゴームズ以外の打者は大谷の投球に空振りすることが少なく、コンタクトに成功していたと言える。150km超えでもバットに当ててインプレー打球になりさえすれば、約3割はヒットになるのだ。

113球を投げられ、実に32球でバットが空を切る事態になった2014年7月9日の一戦と比べると、楽天の打者は大谷が尻上がりに調子を上げる前の数少ない好機を良く活かしたと言えそうだし、一方、大谷にはあの時のような支配力はなかったとも言える。



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釜田佳直、逞しさを増したメンタルの成長

7回、打者25人、116球、被安打4、被本塁打0、奪三振6、与四球1、失点0、自責点0。

3登板目にして今季初白星になった。3登板いずれもQS。うち2戦はHQS。防御率は0.86に良化した。釜田7回以上を投げて楽天が1-0で勝利したのは、プロ初完封勝利を飾ったルーキーイヤーの8月16日Kスタの日本ハム戦以来のことになっている。

印象的だったのは、何事にも動じないポーカーフェイスのマウンドさばきだ。その表情は、背番号21の前の所有者を彷彿とさせた。

例えば5回である。直前に味方が茂木の先制打で1点を奪った直後の投球。前回4月3日西武戦では味方得点直後に2失点したこともある。反省を活かし、ここは絶対にゼロでベンチに帰りたいシーンだった。

6番・レアード、7番・大島とすいすいアウトを取り2死にこぎつけたが、8番・大野に粘られてしまう。僅か2球で追い込んだ後、粘りに粘られ9球フルカウント勝負の行方はアウトコースいっぱいの137kmで見三振。見事に三者凡退で締めるイニングになった。この場面、根負けして大野に四球を与えてしまうのと見三振では大違いなのに、大野を仕留めた後、ベンチに帰る釜田は最後まで表情を和らげることはなかった。

終盤7回無死2,1塁からの危機脱出でも感情を大きく表に出すことはなかった。2死2,1塁で7番・大嶋を本戦116目の投球で二ゴに取った後、マウンド上で大きくガッツポーズすることもなければ、雄たけびをめいっぱい上げることもなかった。釜田がしたことは、小さく拳を握りしめる「控えめな動作」のみだった。

恐らくそれだけピッチングに集中していた証拠なのだろう。本人の言葉を借りれば「ランナーを出してからも焦らずしっかり抑えられた」ということなのだ。ピンチで今江が絶妙な間で声かけしてくれたことも、大きな助け舟になったはずだ。仁村徹ヘッドコーチは「投手が苦しいときに今江がスッとマウンドに行ってくれる」と評価している。

闘球に集中できた証拠は、お立ち台での本人発言からもうかがえる。開口一番、「大谷選手も良いピッチャーなので、1点勝負になると思っていました」。腹を括ったことが、近い将来MLBを騒然とさせる逸材との投げ合いを、プラスのエネルギーに変えることができた。この辺りの勝負魂は、巨人戦で杉内俊哉と投げ合いプロ初完投勝利を挙げた1年目のときを連想させてくれる。いやはや、本当に素晴らしい116球だった。

トミージョン手術を経て、メンタル的に逞しさを増した釜田の得点圏被打率は.111に良化した。この今季初白星が、完全復活への確かな一歩目になるはずだ。【終】

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