【試合評】 楽天がバンヘッケンを攻略できず、西武ベンチが今江勝負を選んだその理由~2016年4月3日●楽天イーグルス2-3西武

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3タテの可能性は十分にあったが・・・

今シーズン初の同一カード3連勝を目指した西武3回戦。そのチャンスは十分あったが、結果は2-3、楽天が1点差を競り負ける形になった。

もし本戦を勝利で飾っていたら、梨田監督は監督通算650勝、チームは開幕8戦終了時の球団史上最高勝率というメモリアルゲームになっていただけに、残念だ。

■開幕8試合終了時の各年度勝率


楽天先発は釜田。6回を2失点にまとめ、先発の役割を果たした。三者凡退に抑えた5回以外の合計5イニングで走者を出し、3イニングで得点圏に進出される苦しい展開だったが、粘投でクオリティスタートの範囲内にまとめ、チーム勝利の可能性を残した。

西武先発はバンヘッケン。楽天は2月24日の練習試合で対戦していた。その時は3回を投げた新外国人左腕に対し、アマダーのソロ弾を含む4安打3四球で3得点。本戦プロ初スタメン起用のオコエも、バンヘッケンの内角速球にバット折りながら2点適時打を打ち返していた。このとき対戦経験があって本戦スタメンに名を連ねたのは、オコエ、銀次、ウィーラー、茂木、嶋の5人がいる。そのうち、銀次、ウィーラーの3、4番コンビは共に2安打1打点の槍働きを見せたが、残り3人はいずれも無安打。明暗分かれる形になった。

(下記へ続く)

両軍のスタメン

西武=1番・秋山(中)、2番・浅村(二)、3番・森(指)、4番・中村(三)、5番・栗山(左)、6番・メヒア(一)、7番・坂田(右)、8番・炭谷(捕)、9番・鬼崎(遊)、先発・バンヘッケン(左投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・オコエ(中)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(左)、5番・今江(三)、6番・茂木(遊)、7番・ゴームズ(指)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・釜田(右投)

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オコエのミスをリカバリーした銀次、ウィーラーの連続適時打

先手は楽天。3回裏だった。走者を出しながら三振ゲッツー等で1、2回を逸機したイーグルスが、打順が2巡目に入った3回にバンヘッケンから1四球3安打を集め、2点を獲得した。

先頭の9番・嶋。持ち味の待球姿勢が活きた。じっくり球を選別し、フルカウント6球勝負で1度もバットを振らず1塁へ歩くと、1番・岡島が1,2塁間を上手くゴロで破っていく右安。無死2,1塁と最高の形を演出した。

ここで打席は2番・オコエにまわる。手堅くバントと思われたシーンだった。しかし、梨田監督の親心だ。高校時代にバントの経験がほとんどないであろうルーキーを慮り、強攻策。結局、追い込まれた後に二飛に倒れ、走者そのままアウトカウントだけ増える事態になったが、後続の先輩達がオコエのミスをリカバリーする2本のタイムリーを放っている。

まずは3番・銀次が魅せた。NPB No.1コンタクトヒッターによる技ありの一打だ。

3-2と追い込まれた打席、内角に甘く入る逆球の変化球を仕留め、故意に詰まらせて左前へ落とす銀次の代名詞とも言えるフライヒット。この当たりで2塁から嶋が生還した。バックホームとの競争になったが、嶋が二足先に本塁に滑り込み、イーグルスに先取点が入る。

銀次は1打席目も1-2から中安を弾き返し、3打席目の遊ゴも1-2からだったため、これで今季の2ストライク以降打率は15打数6安打、5三振、4四球の打率.400! 追い込まれてもアベレージが下がらない特殊スキルを存分に発揮している。

2本目は打撃好調の4番・ウィーラーのバットから誕生した。

1打席目に既に二塁打を放ち、3/29ロッテ戦からの連続試合安打をすでに5に上していたハクション大魔王が初球変化球をショートオーバーの左安。この一打で2塁から岡島が悠々ホームインした。(楽2-0西)

味方2点先制直後の4回表、重要所だった。イニシアティヴを手放さないためにも、絶対に抑えなければならないイニング。しかし、釜田が捕まった。

3番・森から始まるクリーンアップを迎えた場面で、1死後に4番・中村の中安を起点に4連打。そのうち、6番・メヒア、7番・坂田の当たりが連続適時打になる。初戦、2戦を落として迎えた第3戦で大幅に打線を組み替えてきた田辺采配が当たったというシーンになっている。(楽2-2西)

楽天打線、中盤3イニング三者凡退

2-2の同点後は、バンヘッケンが尻上がりに調子を上げ、楽天打線は4、5、6回と連続三者凡退(打者12人連続アウト)。釜田も5、6回とゼロを並べ、7回は楽天移籍後の初登板になった金無英がゼロに抑え、試合は終盤8、9回のブルペン勝負に持ち越された。

8回裏、楽天は勝ち越しのチャンスを作る。二番手・高橋朋に対し、先頭の1番・岡島が安打。2番・オコエに代えて福田がバントを決めて1死2塁、3番・銀次は右翼後方を襲った捉えた当たりだったが、懸命に背走するライト坂田の好捕に遭い、タッチアップ2死3塁。ここで西武ベンチは今日2安打の4番・ウィーラーを敬遠、5番・今江との勝負を選択した。今江vs高橋朋の対決はボール先行3-1決着。打者有利の状況だったが、中飛に倒れた。

その直後の9回表、回またぎの福山がピンチを招き、鬼崎に決勝打を流し打たれている。(楽2-3西)

これでチーム成績は8試合4勝3敗1分の2位。1位・ロッテとのゲーム差は0.5、3位タイ・日本ハム。西武との差は0.5、5位・ソフトバンクとは1.0、6位・オリックスとは1.5としている。

西武ベンチがウィーラー敬遠、今江勝負を選んだ背景

この日の中継、解説席には楽天OBの塩川達也氏と永井怜氏のW解説になった。8回2死3塁でウィーラー敬遠になったシーン。塩川、永井の両氏は勝負強い今江も敬遠し、2死満塁で左の茂木vs左の高橋朋の対決では?と解説していた。しかし、その予想は外れ、西武ベンチは今江勝負を選択。結果は今江が中飛に倒れたという一幕だった。

ここで西武ベンチが、ウィーラーと今江、両者とも5試合連続安打と打撃好調だったのに、なぜウィーラーを避け、今江勝負に出た理由を考えてみたい。

今江vs高橋朋の通算対戦成績は、4打数1安打2三振、1本塁打。サンプル数は少ないが、今江は1本ホームランを打っており、打たれた投手からみれば、記憶に残る忌まわしき一撃だと思う。このことを西武ベンチが知っていれば、両氏の言うとおり敬遠で茂木勝負だったはずだ。ところが、実際は違っていた。ということは、西武ベンチは別の判断材料を用いたことになる。それは、私は両者のvs左投手打率だと推測している。

下記に両打者の今季vs左投手打撃成績を表にまとめた。左投手の、というより、西武3連戦での左投手への対応が良かったのがウィーラーで、菊池、バンヘッケンから合計4安打を放っていた。一方、今江は左投手に限って言えば、僅かにシングルヒットが1本のみ。恐らく田辺監督、潮崎コーチは、この3連戦で今江は右投手には合っているが、左投手には合っていないと判断したのではないだろうか?と考えている。


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回またぎ経験に乏しい福山を引っ張らざるをえない苦しい台所事情

8回に4番・中村を一発回避の投球の末、四球を出したが、併殺含む2本のゴロアウトに抑えた福山は、9回にも回またぎのマウンドに登っていた。

昨年65登板とフル回転しながら、回またぎで2イニングを投げたケースは僅か3試合にとどまり、こういったケースの経験に乏しい福山に、9回も行かせるのは一抹の不安があった。しかし、あのときは既に延長戦も視野に入っていた展開である。手持ちの駒を見ると、不安定の青山とリズは緊迫した場面では使いにくい。10回11回を松井裕に任せて、12回は石橋に行かせると考えたとき、9回はどうしても福山にしのいでもらわなければならなかった。こういうことなのだろう。早いところ、青山とリズにアジャストもらわないと、今後もこういう展開が増えてしまう。

楽天打線がバンヘッケンを攻略できなかったその理由

そもそも、本戦は終盤勝負ではなく、序盤に決めておかなければならないゲームだった。バンヘッケンは序盤3回までは不安定な投球内容。楽天は3回まで毎回走者の出塁に成功し攻め立てたが、3回の2得点にとどまった。この序盤で一気に畳みかけるべきだった。

前回オリックス戦は、5回、打者27人、99球、被安打6、奪三振6、与四球6、失点4、自責点3。四球を多く出して初黒星を喫していたバンヘッケン。その反省点を踏まえて、本戦ではテンポ良くストライク先行の投球で組み立ててきた。全体のストライク率は70.6%、初球は74.1%、3球目2ストライク率も57.1%と6割に迫る値を残しており、楽天打線は立ち遅れた部分があったのかもしれない。

空振りを奪うことのできるマネーピッチを持っていない軟投派に、のらりくらりと好投されてしまうことこそ、悔しいものはない。平均136.0kmの速球に、120km台のフォーク、110km台のカーブ。これらをストライクゾーンに積極的に入れてくるスタイル。こういう軟投派攻略のカギは、右打者はセンターから右方向、左打者はセンターから逆方向の徹底したコンパクトな打撃だ。しかし、右打者が徹底できなかった。

左打者は12打数4安打2三振の対戦打率.333と良く打ったが(ヒット4本中3本がセンターから逆方向だった)、右打者は14打数3安打1二塁打2三振の.214に終わった。中でも引っ張りにいって三ゴ、三飛に倒れた凡打が合計5本もあったのが大きかったと思う。1回2死3,2塁で今江が凡退に倒れたのも、低め121km変化球を打たされてのイージーな三ゴだった。

もう1つ、110km台のカーブを多投されたのも、楽天打線を悩ませる原因になった。下記表は昨日終了時の楽天打線の打撃成績である。1打席内にカーブを混ぜられたときと、そうでないとき。両者には明らかな差異が生じている。ここまでの差異が生じているのは、オープン戦で対戦投手がほとんどカーブを投げてこなかったのが大きいと思う。





グラウンドボール投手への進化を見せる6年目の釜田佳直

6回、打者25人、115球、被安打7、奪三振3、与四球2、失点2、自責点2。

味方2点先制直後に、4連打されて同点とされてしまったのは、もったいなかった。1死3,1塁でメヒアに三遊間をゴロ突破されたのは、及第点。しっかり打球管理ができたおかげで長打をくらわずに済んだとみるべき。その後の坂田に逆球を右翼線フライナーで弾き返されたのが、もったいなかったと思う。1打席目に坂田は好機で併殺打を打っていた。それだけにここは!という思いで打席に入っていたはずで、もう少し慎重にいくべきだったと思う。

ただ、同点までに抑え、逆転・勝ち越しを許さず、クオリティスタートの範囲内にまとめたのは評価できる。

下記のベースボールチャンネル寄稿に書いたように、開幕3戦目と同じく、本戦もカッター、フォークなど打者の手元で小さく変化する球やゴロになりやすい球を駆使し、ゴロを量産できたのは、上々だと思う。本戦のゴロ率は55.0%を記録した。

◎投球の幅を広げた楽天・釜田佳直。ゴロを量産、107球から見えた成長(2016/04/03)

釜田はこれで2試合連続でゲームメイクしたが、今季初勝利を逃す形になっている。もし今後も好投すれども・・・という形が続くと、釜田に要らぬプレッシャーをかけることになる。今季初勝利を挙げてこそ、トミージョン手術からの完全復活の第一歩を踏み出すことができる。恐らくそう考えているだろうし、周囲もそう見ている。そのため、次回登板こそ、打線が奮起し、しっかり援護し、白星をつけてあげて欲しい。【終】


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