低迷パイレーツを変えた失点阻止戦略「ゴロ率を意識した投球」を、楽天イーグルスも導入すべきである

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2015年最後のブログ更新です



2015年も423本のブログを書いてきたが、こちらが本年最後のエントリーになる。

今年はとにかく得点力不足に尽きる1年だった。点が取れない打線の不甲斐なさに対して、投手陣は良く頑張っていたと考えている。シンクタンクDELTAは今年の楽天投手陣を「MLBへ移籍した田中将大の穴を感じさせない充実ぶり」と激賞した。私の場合、さすがにそこまで断言はできないが、無援護と拙守に悩まされながらも、良く奮闘したと思っている。

しかし、下記に紹介するこの数値だけは、もう少し数字が欲しかったなあと思うのだ。

■2015年パリーグ チーム別のゴロ率
※DELTA調べ
20151231DATA05.jpg

12球団ワーストだった楽天投手陣のゴロ率



楽天のゴロ率は46.1%を記録した。これはリーグ平均値47.4%を下回り、同ワースト、セパ12球団でも最下位の数字だった。

ゴロはフライやライナーと比べた時に、長打のリスクが少なく、高い確率でアウトを取ることのできる安全な打球である。相手打者にもう少しゴロを打たせることができていれば、チーム防御率も良い数字になっていたかもしれない。

ゴロを打たせるには、幾つかの方法がある。ここでは3つ挙げてみた

1:グラウンドボールピッチャーを獲得すること。
2:ゴロになりやすい球種で勝負すること。 (一般にシュート/ツーシーム、フォーク、チェンジアップがゴロになりやすい球種だ)
3:ゴロになりやすい配球で打者を攻めること

1と2に関して言えば、中長期的な計画が必要になる。
1に関しては、そういった投手を常にスカウティングしなければならない。2はそれらの球種がない投手は新球を習得する必要があり、シーズン中に取り組むのは難しい。しかし、3は捕手のリードと、捕手の配球に応えることができる投手のある程度の制球力があれば、なんとかなる話だと思う。短期で結果を出すには一番手っ取り早いのが3とも言える。

楽天バッテリーは、もっと、ゴロになりやすい配球で打者を攻める必要があったと思うのだ。

(下記へ続く)

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▼パイレーツ躍進のカギはビッグデータ活用にあった!!


低迷パイレーツの奇跡に楽天再生のヒントあり



ところで、皆さん、MLBピッツバーグ・パイレーツの奇跡を御存知だろうか?

パイレーツは1993年から実に20シーズン連続負け越しという不名誉記録を作る弱小球団だった。ところが、2013年、2014年とプレーオフに進出。今年も98勝64敗、勝率.605、ナショナルリーグ中地区2位を記録し、ワイルドカードでポストシーズンに駒を進めた。

このパイレーツの奇跡を紹介した書籍『Big Data Baseball : Math, Miracles, and the End of a 20 Year Losing Streak』が今年5月に上梓され、その書籍の概要を紹介した日本語記事「低迷パイレーツを変えたビッグデータ」がSlugger誌2015年8月号に掲載された。冒頭を少し引用してみよう。

北米プロスポーツワースト記録を更新する20年連続の負け越しを喫した2012年のシーズン後、パイレーツのクリント・ハードル監督とニール・ハンティントンGMは、ピッツバーグ郊外にあるハードルの自宅で会談した。2人とも、スモールマーケット球団であるパイレーツのオーナーからは、大きな援助は得られないと分かっていた。高額の大物FA選手は獲得できないし、メジャー昇格間近のトップ・プロスペクトもそう多くはない。チームのメンバーが代わり映えしない以上、勝つためには何か隠れた価値を見出さなければならなかった。


▼「低迷パイレーツを変えたビッグデータ」を所収するSlugger2015年8月号


この記事の中には、パイレーツの失点阻止戦略の根幹を成す3箇条が紹介されている。1つは大胆な守備シフトの導入、2つめはフレーミングに優れた捕手マーティンの獲得、そして3つめに「ゴロ率を意識した投球」があた。そのことを記したくだりを引用しよう。


コーチたちはアナリストに次のような理論を実証するよう求めた。
まず内角を攻め、その後に外角へ投げたらどうなるのか? 早いカウントで内角を攻めることの心理的な影響は数値に現れるのだろうか? コーチたちは、内角攻めによって打者は萎縮し、スウィングの威力も弱まり、結果としてゴロを打つ確率があがる、と考えた。このことを裏付けられるかどうか、手に入る投球追跡データをすべて調べ上げるよう、コーチたちはフォックスとフィッツジェラルド(※パイレーツのアナリスト)に依頼した。
その結果、確かに早いカウントで内角を攻められた時のゴロ率は上昇していることが分かった。コーチ陣はそのデータを疑い深い投手たちに渡した。自分たちの考えは、確かなデータに裏付けられたのだと。このようにして投手たちも新しい方針に納得した結果、13年のパイレーツ投手陣はMLBシーズン記録となる53%ものゴロ率を記録した。


パイレーツ理論は楽天に当てはまるのか?!



さて、随分と前置きが長くなってしまった。話を楽天に元に戻す。
イーグルス投手陣が早いカウントで打者のインコースを攻めた時のゴロ率はどうなっていたのだろう?

そこで今年のデータを全て調べ上げた。



今回、早いカウントの定義をを打者の2球目までとした。3球目以降に決着がついた打席の場合、初球、2球目のいずれか、または2球ともインコースに投げた場合を対象とする。2球目で結果が出た場合は初球がインコースの投球だったものを対象とした。なお、結果球のコースは不問とした。ここで語られている内角球は打者を打ち取るための布石球としてのインコースのため、結果球は考慮しないことにした。

まずは結果をまとめた下記表を御覧頂きたい。

■2015年 楽天投手 2球目までに内角を攻めた時のゴロ率とそうでない時のゴロ率

20151231DATA02.jpg


投手名は投球回の多い順に並べている。

投手名の右横にあるゴロ率は、トータル、通算でのゴロ率を表している。
ゴロ率の高低で暖色・寒色の濃淡を施した。

20151231DATA03.jpg

2球目までに内角を攻めた時のゴロ率が、そうでない時のゴロ率と比べて高かった場合、低かった場合で濃淡を施した。下記参照。

20151231DATA04.jpg

早いカウントで内角攻めした時、ゴロ率5.0%上昇



結論から言うと、今年の楽天投手陣も、パイレーツと同じくゴロ率が上昇した。

2球目までに内角を攻めた時のゴロ率は実に49.2%を記録。
一方、そうでない時のゴロ率は44.2%だったので、5.0%の上昇となった。

投手別で見ると、エースの則本は2球目までにインコースを攻めた時のゴロ率は、そうでない時と比べて実に13.3%も上昇し、48.0%を計測した。通算のゴロ率が39.3%だったことを考えると、48.0%という数字は極めて高いと言える。

もちろん、中には釜田のように、こちらの仮説から逆行する結果を出している投手もいる。しかし、これはサンプルが少なかったことによるデータの偏りかもしれない。80回以上を投げた美馬以上の6人の中では、則本の他にレイ、菊池、塩見も上昇した。戸村、美馬はそうでない時と比べて微減したが、ゴロ率そのものは50%を超える高い数字だった。

右投手が右打者の内角を攻めた時、
右投手が左打者の内角を攻めた時、
左投手が右打者の内角を攻めた時、
左投手が左打者の内角を攻めた時、

この4パターンでゴロ率が最も高かったのは、左投手s左打者で61.8%を記録した。次に右投手vs左打者の51.7%、右投手vs右打者の51.7%、左投手vs右打者は最も低く40.9%に止まった。

さらに踏み込んで調べてみると、打者2球目までに内角を攻め、結果球が外角だった場合のゴロ率は56.3%に跳ね上がっている。この時の被OPS/被打率は.658/.238。楽天投手陣の今年通算が.728/.266だったことを考えると、早いカウントでインコースを攻めた後のアウトコース勝負が有効だったと言えそうだ。ちなみに、楽天左打者で見ても、内角を攻められた直後の外角球を打ち返した場合のゴロ率は実に58.8%だった。左投手で左打者のインコースを積極的に攻める投手はあまり見かけないが、この結果を見れば、もっと攻めていくべきなのだろう。

以上のことから、パイレーツが採用した「ゴロ率を意識した投球」という失点阻止戦略は、楽天にも有効と言えるはずだ。

もちろん、リスクはある。そもそも楽天投手陣はインコースに投げ切ることのできる制球力、胆力を持ち合わせているのか?という問題がある。内角狙いの投球がシュート回転して甘く入って痛打される、すっぽ抜けてぶつけてしまう等、危険性はある。しかし、リスクを承知で楽天投手陣は勇気を振り絞り、打者のインコースをもっとめていく必要があるはずだ。

以上、2015年の更新はおしまい。本年もご購読ありがとうございました。【終】

1/21追記:聖澤の不振も、内角攻めにあった。2球目までに内角攻めを受け、変化球を打たされたときの打率は.113と低迷した。詳しくは下記URLにて。
http://tan5277.blog104.fc2.com/blog-entry-2948.html


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No title

とても興味深く拝読しました。
ゴロ率を増やすための方法が3つあり、その中から即効性のあるものとして3の配球をチョイスしたご判断が、「とてもNPB的だなあ」と思ったからです。

引用されたパイレーツの手法もいわば「貧者の理論」ですよね。ペイロールの少ない楽天球団としては、とても参考になるのは間違いないでしょう。嶋の捕球能力とか、実施する上で気になる点もありますが、試してみる価値は大いにあると感じます。

一方で、ヤンクスやドジャースなら迷わず1を選ぶわけですよね(笑)
そこが、NPBがいつまでもMLBに追いつけない理由だと思います。つまり、金があるところには世界中から自然といい選手が集まってくるわけです。

大枠であるビジネススキームを改善せずに、現場の努力だけでいじましいKAIZENを続けていくことは、無益ではないと知りつつも、なんだか「労多くして益少なし」と嘆息したくなる時もあります。

バド・セリグはおそらく殿堂入りするでしょう。1人の偉大な経営者は、1人の偉大な野球選手よりも多くの恩恵を球界にもたらすことがある。

野村克也は、通算3000試合の時に孫正義から祝電を貰って感激したとか。いわく自軍だけでなく、球界全体に目が行き届いている点が素晴らしいと。

ならばいずれ経営者の立場を退いた時に、彼がコミッショナーをやってくれたら・・・と夢想してしまうんですよね。セリグも球団オーナー出身でしたし。

Re: No title

duplesさん

> そこが、NPBがいつまでもMLBに追いつけない理由だと思います。つまり、金があるところには世界中から自然といい選手が集まってくるわけです。

まさにその通りだと思います。NPB全体、リーグ全体のパイを広げることこそ急務のはずなのに、NPBはなかなか腰が上がらない。こんなことではNPBやJリーグを反面教師とし、今秋開幕するBリーグに早晩、追いつかれるのは必至でしょう。実際、Bリーグの大河チェアマンは10~20年後にはBリーグの市場規模を現在のJリーグやNPBとほぼ同じ規模の1000~1500億円にする中期目標を掲げていますから。

また、年末には、大御所(広岡達朗氏)のこんな呆れた放言もあり、相変わらずNPBの重鎮・識者・関係者はトンチンカンな方向を向いているのだなと思わされました。高額年俸は払いたくないけど、MLBにも行ってはならぬ。こういう主張なのでしょう。張さん、広岡さん達の主張は、現役選手に厳しすぎる。

◎球界大御所が、億プレーヤーの増殖に苦言。「球団が弱腰すぎる!」(THE PAGE)
http://thepage.jp/detail/20151228-00000003-wordleafs

> バド・セリグはおそらく殿堂入りするでしょう。1人の偉大な経営者は、1人の偉大な野球選手よりも多くの恩恵を球界にもたらすことがある。
> ならばいずれ経営者の立場を退いた時に、彼がコミッショナーをやってくれたら・・・と夢想してしまうんですよね。セリグも球団オーナー出身でしたし。

孫さん、良いですね! あれだけのカリスマと実行力がある方がコミッショナーになってくれればなあ!!

No title

shibakawaさん

広岡御大の発言、笑読させていただきました。
リーグ全体が青色吐息なのに選手だけが肥え太るのなら問題ですが、実際のところパリーグを中心に観客動員は増加傾向にあり、その利益が選手に流れ込むのは当然だと思います。

広岡さんが監督時代に手にしていたのは3000万程度ですから、億プレーヤーが乱立している現状に漠然とジェラシーを抱く気持ちもわかりますが、現在とはリーグの事業規模も貨幣価値も違う。

松井や山崎は入団したばかりでベースが安いんですから、あれくらいの増額は当然だと思うんですけどね〜。

また、チーム成績を忠実に年俸に反映させていたら、弱いチームはいつまでたっても弱いままです。

広岡さんには部分的に優れた視点や提言もあるのですが、全体的に「共存共栄」「WIN-WIN」の発想が薄い。強豪チームで揉まれ続けてきたキャリアゆえ、あまりにもプライドとエリート意識が強すぎる。弱者の気持ちがわからない人物であり、リーダーには不向きだと思います。
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