【記録】走者に走られ易い楽天投手、走られにくい犬鷲投手~2015年楽天イーグルス投手別の盗塁成績より

スポンサーリンク




《Twitterやっています》アカウントは@eagleshibakawaです。ブログ更新のお知らせ、プロ野球、スポーツの話題、時々実況しながら記録などをつぶやきます。フォロワー数1650人突破。

《facebookページを作りました》当ブログのページをfacebookに作成しました。ブログ更新情報やブログに載せない、Twitterでつぶやかない軽い話題などもアップ中。現在いいね!400人到達。
http://www.facebook.com/eagleshibakawa

いまだブラックボックスの中にある投手の盗塁成績



セイバーメトリクス等のデータが普及するにつれて、日本でも「プロ野球ヌルデータ置き場さん」など各種記録サイトが人気を博している。本当に様々な記録が掲載されており、私も大変重宝になっている。と同時に、管理されている方々に頭が下がる思いを抱く。

しかし、いまだに不透明で分からずじまいな記録も存在する。その1つが、選手の守備位置別の出場イニングであったり、今回取り上げる盗塁成績だったりする。

盗塁成績はもっぱら打者の成績として管理されている。しかし、その裏には盗塁を許した投手x捕手の相手バッテリーの存在もあるのだ。バッテリー側の盗塁成績と言えば、捕手の盗塁阻止率が知られているが、投手と結びつけた成績は公開されていない。

しかし、これっておかしくはないか?

中には、走られやすい投手、走りにくい投手がいるはずだ。それなのに、それをデータで確認することができないもどかしい現実がある。



盗塁はピッチャーの責任が7割



実は盗塁は、投手の責任に負う所が大きいのだ。

今年8月に上梓された『高校球児に伝えたい!プロでも間違うバッテリーの基本』(東邦出版)の中で、著者の元ロッテ・里崎智也氏も下記のように「盗塁はピッチャーの責任が7割」と主張している。


ピッチャーに責任転嫁するわけではないが、キャッチャーはどれだけ努力してもスローイングのスピードは1.8秒まで。しかし、ピッチャーのクイックモーションのスピードをアップさせる幅は広い。高いスキルを身につけて、1.00秒のクイックモーションで投げることができる投手もいる。(中略)

ピッチャーが努力をしてくれると、キャッチャーのスローにたとえ2.0秒かかったとしても理論上は余裕でアウトにできる。また1.0秒、1.1秒のクイックで投げることができる投手に対しては、ランナーのほうも、うかうかとスタートを切れない。用心するためにランナーも3.4秒、3.5秒と時間がかかってしまうようになる。

盗塁を阻止するためにはピッチャーが7割の責任を背負っていると思う。プロの世界では、「あいつのクイックは速いから走れないな」「牽制もうまいから難しいよな」という話はよく聞くが、「あのキャッチャーは肩が強いから走れない」とはあまりいわれない。元々、肩の弱いキャッチャーはプロへ入ってこないという前提があるのかもしれないが、盗塁阻止は2人の共同作業なのだ。


そこで、当ブログではここ数年、パリーグで発生した全盗塁記録を、投手と紐づける作業を実施してきた。今年もペナントレース全日程終了後にコツコツと調査を続け、全930企図を調べ上げることに成功した。

パリーグ全体の結果は当ブログか某所かで近日実施したいと思っているが、一足先に楽天投手の盗塁成績を御紹介したい。

ブログ村投票のお願い
皆さんの1票が継続運営のエネルギーになります

にほんブログ村 野球ブログ 東北楽天ゴールデンイーグルスへ
にほんブログ村
■2015年 楽天投手別の盗塁成績
※走者の盗塁記録で算出している


楽天戦は走者にとって走りやすい?!



走者側の記録で算出しているため、盗塁阻止率を算出する際に用いるデータと異なっているのを予めお断りしておきたい。(盗塁阻止率は走者側からみれば企図2になる重盗成功も1としてカウントされている)

表中、阻止率は盗塁を阻止した割合。企図/9は9イニング当たりに許した企図数を診ている。各々、投球回が異なるため、分母を一緒にすべく、9イニング当たりの数字を出してみた。この数字、1.00を超えると多いイメージになる。

良い数字には暖色を、悪い数字には寒色の網掛けを施してみた。

今季、楽天投手陣は152の企図を許している。これは多いのか?少ないのか?を確認するため、他球団の数字を確認してみると、ソフトバンク173、日本ハム146、ロッテ137、西武112、オリックス111となっていたので、例年最も多くは知られているホークスに続くワースト2位の多さだったことが分かる。ちなみに、昨年も155でワースト2位だった。

最も走りにくい楽天投手は福山博之



今季、走者に最も走られにくかった投手は、福山と言えそうだ。

67.1回を投げた昨年も、許した企図は2度だけという少なさ。58.2回を投げた今年は僅かに企図1だけに止めた。その1度も6/21ロッテ戦の9回1死1塁で井口三振&今江二盗失敗の三振ゲッツーで、単独スチールは許さない。移籍1年目の2013年は34.2回で5企図4盗塁を許していたので、セットアッパーに定着したこの2年間で走者のケア技術、特にクイックの技術に磨きをかけたと言えそうだ。

調べてみると、今季の楽天投手陣で投球間の牽制球が最も多かった記録を福山が所持していることが判明した。3/27敵地開幕戦になった日本ハム戦、1点を追った8回裏無死1塁、2番・田中賢の初球前に1塁走者で昨季盗塁王の西川に対し、5球連続で牽制を実施するケースがあった。

しかし、付記しなければならないのは、走者1塁時の成績がかんばしくないことだ。塁上の走者をケアするあまり、打者との勝負に集中することができず、打たれてしまっては元も子もないわけだ。昨年の福山は走者1塁時の被打率.216と素晴らしかったが、今年は.455。出塁率に至っては.500を記録していた。元も子もない状況になってしまった点が、昨年と比べて成績を落とした原因の1つになる。(もちろん、それでも良い成績であることには変わりはない)

下妻の強肩プレーを支えた武藤好貴の1.1秒クイック



今季、好活躍したレイと武藤は、ともに50%超えの阻止率を記録した。

レイは、外国人に良く見られる"乱れた投球フォーム"ではなく、日本人のように安定している点が、走者に良いスタートを許さなかった秘訣かもしれない。また、クイックも合格点なのだろう。今季、楽天投手陣は牽制死で2度走者をアウトにしているが、そのうち1人が5/30巨人戦で1塁走者・立岡を牽制でアウトレイだった。

武藤もクイックの技術が向上してきた感を持つ。

7/9ソフトバンク戦の7回、下妻が柳田、本多の二盗を立て続けに刺したシーンがあった。前者はトリプルスリー、後者は2度盗塁王を取ったタイトルホルダーだ。それを高卒3年目捕手が見事に刺したことで話題を呼んだが、あの好プレーの裏には武藤がしっかりクイックをしていたことがあった。いずれも1.1秒と素晴らしいクイックだった。

走られ易い投手だった辛島航。改善傾向へ



投手別の盗塁成績でここ数年、私が最も注意している投手が辛島だ。

辛島は楽天を代表する"走者に走られ易い投手"だった。9イニング当たりに許した企図数。リーグ平均が0.90~1.00の中、2013年は1.98、2014年は1.40、いずれも高い値を記録していた。企図されやすいだけではなく、1度走られると、高い確率で=盗塁になってしまうケースが多かった。2013年は13企図10盗塁、2014年は24企図21盗塁を許している。

しかし、今季は修正されつつある。9イニング当たり企図数は0.94と平均レベルにまで改善されてきた。今シーズンは球を長く持って牽制するなど、牽制の間合いを色々変えて走者を塁上に釘づけするなど工夫も多く見られた。また、僅差の場面で走者が1塁に出た時、打者の初球前に牽制を投じる頻度が多いのも辛島の特徴となっている。それら成果が実を結んだと言えそうだ。

ただ、企図されてしまうと高い頻度で=盗塁になってしまう傾向は変わらず、今季は8企図8盗塁、1度も走者を刺すことができずに終わり、そのうち5人にその後ホームを踏まれてしまっている。また、走者1塁時の被出塁率が.395と高かった。辛島のような技巧派左腕は、トータルコーディネイトで打者を圧倒しないと、生き残るのは難しい。その意味でオフの自主トレはヤクルト石川と行うのが良いように思えるのだが。来季は、さらなる改善を期待したい。

昨年は21企図15盗塁を許し、9イニング当たり企図数1.63と走られることが多かった松井裕。抑えに転向した今年は一転、1.00とリーグ平均レベルに改善することができている。しかし、これは試合状況がもたらした恩恵の部分が強いのでは?と思う。松井が登板する状況は敵軍が3点差以内で負けている状況だ。アウトを無駄使いできない場面でリスクのある盗塁作戦は仕掛けにくくなる。この点が大きいと思う。来年は先発再転向が濃厚と言われているが、果たして走者を十分にケアすることができるか?がチェックポイントになってくる。

安定感はエース則本か



表をざっと眺めてきて、やはり、安定感が際立つのは則本になりそうだ。

9イニング当たり企図数0.83は、昨年の0.58より多くなってしまったが、楽天投手陣の中では少なめ。阻止率44.4%も上々の高さだ。8盗塁刺の内容を確認してみると、うち2度が走者を1,2塁間に誘い出してのランダンプレーでアウト(記録上は盗塁刺)に取っている。捕手の力を借りず、走者との駆け引きの中で勝利したシーンと言える。また、レイのところで触れたが、2度あった牽制死の1つが、8/25オリックス戦で小田をアウトにした則本でもあった。

企図18中、捕手が送球しなかったケースは5度あった。そのうち2度が則本自らの牽制で誘い出しての挟死だった。残り3度のうち2度が走者3,1塁時の二盗で、捕手は三走の本塁突入を警戒しなければならないため、無理して投げることをしない場合が多い。そう考えると、捕手が投げなかったケースは事実上1度だけ。その1度も、嶋が球を握り損ねて投げることができないシーンだった。投手がクイックを怠り、完全にモーションを盗まれてしまって、捕手が2塁送球を諦めてしまったというシーンは1度もなかったことを意味する。裏を返せば、則本の投球フォームに癖がなく、クイック技術が安定していることを意味しているのだ。走者1塁時の被打率も.255と申し分ない。

ソフトバンクのように走者に走られても、打者との対決に専念するチームも



こう考えると、投手にとって走者が出るということは、我々が普段思っている以上に、色々神経を使わなくてはならず、タフと言えそうだ。また、クイック投法で安定した制球力を維持し、かつ、球威を落とさずに投げ込むなど、技術面でも高いレベルを要求される作業になってくるのだろう。

中には、ホークスのように塁上の走者に走られても、18.44mの打者をアウトにしさえすればよいというチーム方針を敷くところもある。しかし、楽天にはそこまでの球威を持つ投手は少ないので、走者を警戒しつつも、打者の打ち損じを誘発させる投球術が必要になりそうだ。そして、投手にはもっともっと、牽制技術やクイック技術に磨きをかけてもらいたいと思う。【終】

◎◎◎関連記事◎◎◎
【2015検証(1)】 2年連続リーグ平均を下回る約40失点。低迷する楽天の守備力
【2015検証(2)】 敵軍サウスポーを打ち崩せず... ガタ減りした楽天打者の左投手打率
【2015検証(3)】 守備指標UZRで診るイーグルスの内外野守備の現在地
【2015検証(4)】 Plate Disciplineが指し示す楽天の得点力低迷。驚きの原因とは?



有料メルマガ「shibakawaの楽天イーグルス応援マガジン」。さらに深くイーグルスのこと知ってみませんか? 毎週月曜日 発行、月3~4回程度配信。月額514円。
登録初月の購読料は無料です。
クレジットカードお持ちでない(使いたくない)方の販売も対応しています。

購入方法(まぐまぐと直接販売)やメルマガ本文の一部内容など、詳しい御案内は「◎shibakawaの楽天イーグルス応援マガ ジン、読者募集のお知らせとバックナンバー一覧」をクリックして御参照下さい。皆様の読者登録をお待ちしております。




Amazon、楽天市場でのお買いものはこちらからどうぞ。ブログ継続安定運営のモチベーションになります




《当ブログのコメントルール》御感想のある方は下記コメント欄でどうぞ。ただし、感情に流された御意見・誹謗・中傷・悪意の類、プロ野球や楽天と関係のないもの、名無しや通りすがりなどハンドルネームがいい加減と私が判断したものは、内容に関わらず、御遠慮申し上げております。頂いても削除の対象となります。なお、管理人の都合により、返信が遅れる場合、またはできない場合がございます。

ブログパーツ
レンタルCGI



関連記事
スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加

テーマ : 東北楽天ゴールデンイーグルス
ジャンル : スポーツ

コメントの投稿

非公開コメント

FC2カウンター
ページビューではなく、ユニークアクセスでの集計です。
プロフィール

shibakawa

Author:shibakawa
真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドにみえるそんな信州人による、東北楽天ゴールデンイーグルス応援ブログ。

鷲ブロガーの中で楽天の記録やデータを最も見ている管理人が、各種データや記録、セイバーメトリクス等を用いながらイーグルスの魅力を紹介していきます。

御訪問&閲覧有難うございます。初めての方、当方と連絡希望の方は「はじめに」をお読み頂いた上で、楽しんで頂けたら幸いです。

Twitter
プロ野球、楽天イーグルス、ブログ更新情報を専門的にツイートするアカウントを作成しました。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
月別アーカイブ
最新記事
カテゴリ
スポンサーリンク
ブログ村
feedlyへのRSS登録はこちらから
follow us in feedly
検索フォーム
投票御協力のお願い
各種ブログランキングに参加中です。日々の更新の励みになりますので、ポチっと押して頂けたら幸いです。SHIFTキーを押しながらマウスで次々にクリックして頂けるとスピーディーです。お忙しい時はブログ村!でm(_ _)m
このブログのはてなブックマーク数
この日記のはてなブックマーク数
今月の人気ページランキング
当ブログのアクセス数が多い記事はこちらです(各月1日~末日で集計中)
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
スポーツ
74位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
野球
22位
アクセスランキングを見る>>
RSSリンクの表示
最新コメント
このページのトップへ
try{ var pageTracker = _gat._getTracker("UA-20192910-1"); pageTracker._trackPageview(); } catch(err) {}