事を急ぎ過ぎてしまった感は否めない三木谷オーナーの現場介入劇

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事を急ぎ過ぎてしまった感は否めない三木谷オーナーの現場介入劇



今朝、スポーツ報知が三木谷浩史オーナーのインタビュー記事を掲載している。


◎【楽天】三木谷オーナー、独占インタビュー!現場介入は一体化の象徴 (スポーツ報知 2015年8月11日8時52分)



田代コーチの退団から始まった一連のオーナー現場介入報道。これを読む限り、野球の「や」の字もあまり分かっていない素人オーナーが、東京の高層ビルの社長室から、頻繁に横車を押し、現場を困らせている。そんな図が浮かんだ。

私の目には、立花社長就任後、セイバーメトリクスを導入し、チーム戦略室を立ち上げてのチーム作りが進み、自ら山本一郎氏を同アドバイザーに招聘しておきながら、その矢先にそれをオジャンにするようなオーナーの血迷った横暴。そのように感じられ、甚だ気分が悪かった。多くの読者も恐らくそういうイメージだったはずだ。

時価総額1兆7000億円。世界をまたにかける大企業の総帥も日本男児で、連合艦隊司令長官、オーケストラの指揮者、プロ野球監督。男が1度は体験してみたい職業ベスト3だと良く言われる憧れのプロ野球監督ごっこを、今季まさに品川シーサイドの高層、または二子玉川のクリムゾンハウスで遊んでいるのかな?と思われた。

しかし、今回のインタビュー記事を読んで、どうやら考えを改めなければいけないようだ。





2015年、三木谷氏の中では当初から現場介入が頻繁になるであろうことは想定内のことだったかもしれない。

昨年オフ、週刊ベースボール取材班の取材を受けた三木谷氏は、球団最初の10年間を70点と自己評価し、「経営という面においては、95点だと思っています」と語り、取材班の将来に向けたビジネス戦略、次の一手は?の問いに対し、優先すべきは知恵の勝負によるチーム力向上が課題だと語った。

「ビジネスとしては、ある一定のところは形としてでき上がってきたのかなと思っています。基本的には事業の構造体と、それから僕ら『スポーティング』と読んでいるんですが、チームの実力。それは単に成績だけではなく、プレースタイルも含めた魅力が、共にマッチしなければいけない。だから逆にいうと、これからフォーカスするべきは、チーム力を上げていくスポーティング・サイド。そこを向上させていかなくてはなりません」

「“どこのチームでも優勝できる”という“知恵の勝負”に持っていかないといけないということだと思うんです。お金の勝負じゃなくて、知恵の勝負だと思うんですよね。そこを、大久保監督には期待しています」

田中&マギー退団後に残った限られた戦力を最大限活かすべく、2015年は戦略室を中心とした本格的な組織作りの第一歩にしたい。恐らく三木谷氏はそのように考えていたはずだ。

こうなると、当然、意思決定はトップダウンが多くなり、ボトムアップは少なくなる。

NPBにおける旧態然としたチーム作りでは、監督の権限が強い。楽天でも野村~星野政権下ではボトムアップ方式での決定が多かっただろうし、フロントはどちらかというと現場をサポートする脇役的な位置づけにすぎなかった。

一方、フロント主導のチーム作りでは、現場の権限は従来と比べると、どうしても限られたものになる。

既得権益を侵されるのだから当然そこには溝が生じるのは、やむを得ないことである。セイバーメトリクスを導入したチーム作りで成功を収めた『マネーボール』で描かれているオークランドアスレチックスでも、ビリー・ビーンGMと守旧派のスカウトマン達の対立が描かれている。その多寡はあれど、どうしても意識や認識のズレは発生する。

その認識のズレを埋め、組織が今季のスローガンのように一致団結するには、粘り強い説明とアプローチが必要になるのだが、恐らく三木谷オーナーにとっては、それが歯がゆくてしかたがなかった。

戦略室の背広組アナリストが、現場の制服組にその意図をレクチャーしようとする。しかし、現場には現場のプライドがある。こちとら何十年も現場で戦っている。野球の「や」の字も分からず、クーラーの効いたオフィスで数字を追ってるだけの人間の言うことなど、どうして聞くことができようか。事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ。田代コーチを始め守旧派がそのように考えても全くおかしくはないし、それどころか、その反応こそ、ごく自然のことだ。

通常ならここで何度も粘り強く説明し、信頼関係を構築し、妥協の一致点を探り、コンセンサスを得る努力をしながら一歩ずつ進めていくのが、従来の日本社会だ。今回も開幕前、キャンプの時点、いやキャンプに入る前から丁寧に監督・コーチ陣に説明を続ける必要性があった。

MLBでも過去20年間連続負け越しに沈んだ弱小ピッツバーグ・パイレーツが、直近2年連続でプレーオフに進出し、今季も良い戦いを続けているその成功のきっかけは、チーム再建に頭を悩ませていた監督がフロントのアナリストと公私にわたって信頼関係を築いたのが発端だったというエピソードがある。(詳しくは『Slugger』8月号の「低迷パイレーツを変えたビッグデータ」参照)

しかし、ITバブルでのし上がり、タイム・イズ・マネーの世界でワールドワイドにビジネスを展開、最後はトップダウンで決めてきたワンマン社長にとっては、そんなスローモーションのような生ぬるいことはやっていられなかったのだろう。

そこで三木谷氏自らが戦略室やフロントの代弁者を買って出て、そのカリスマで現場にフロントの意思を認めさせようとした。

このことはオーナー自らインタビュー内で「球界の常識で言うと、フロントが現場に伝えても、なかなか『はい、そうですか』とはならない。だから、オーナーが媒介しなくてはいけない」と認めている。

その行動が、今年61歳になった田代コーチには憤懣やるかたないものに映った。

三木谷氏は球団創設時から現場介入歴があり、Jリーグのヴィッセル神戸では日常茶飯事。そういった負のイメージがあったものだから、今回、報道がセンセーショナルになり、大きく目立つかたちになってしまったということなのかもしれない。

田代コーチにしてみれば、例えば、三ツ星レストランの料理長が、包丁なぞ持ったことのない素人オーナーに、食材を渡され、レシピ・調理法、はては調理器具や厨房、アシスタントまできっちり事細かく指示を受け、今までに作ったことのない究極のメニューを作れ!と指示されているようなもので、料理人の矜持を完全に踏みにじられた行為に映ったはずだ。例えそれが今後、料理人の主流スタイルになるにしても、61歳の田代コーチにとってみれば、今までのやり方を捨ててまで、拘泥する必要はなかった。

オーナーは年下50歳。この年齢差が逆なら、清濁合わせ飲んで我慢したかもしれない。自身の生活もあるからだ。しかし、61歳は社会では定年。田代コーチも老後の蓄えはしてきただろうし、この年になってまで自らの矜持を捨ててまで現場や新たな手法にしがみつくことはない。元々は昨年退団する予定だったのを恩のある闘将に頼まれてチームに残っただけで、未練はない。そう判断したのでは?と思う。

「ジェネレーションギャップはあるかもしれない」とオーナーが語っているように、世代間格差もあったのだ。両者の気持ちは良く分かるだけに、残念だ。

痛みなくして改革なしということなのだろうけど、私の目には、三木谷氏がまだまだ古いことが残るNPBの現場に、いつものビジネス感覚をダイレクトに導入しすぎたと思っている。タイム・イズ・マネーだが、時が解決するとも言う。もう少し、最低限でも今季終了まで辛抱すべきだった。田代コーチと喧嘩別れするのではなく、円満に終わらせる他の方法もあったのでは?と思う。

根回しも必要だった。数年かけてコボスタや都内近郊のビジター戦に足しげく足を運び、現場目線、選手目線を感じ取ることが必要だった。オーナーは心底、野球を愛している。このことが現場や選手にヒシヒシ伝わり信頼関係が醸成されれば、今年から始まった戦略室をメインに据えたフロント主導の球団改革も、今以上にスムーズに進んだはずだと思う。

人気ブログ「野球の記録で話したい」の広尾氏は今回の件が球界再編の序章になるのでは?と考えているらしいけど、球界再編というより、ビッグデータやセイバーメトリクスを基にしたフロント(オーナー)主導のチーム作りの新序章のほうが妥当だ。

今回の件が次なる10年史を作り上げる上で、大きな周り道にならずに済み、この試みが数年先に花開かせることをただ祈っている。

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