楽天・片山博視の打者転向報道を補足・解説する

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片山博視、打者転向へ



今朝、驚きの一報が舞い込んできた。「スリーマウンテンズ」の一角として主に2010~2011年、楽天投手陣の台所を支えた左腕・片山博視が本日10日から打者転向するという。

サンスポの記事を引用する。


■楽天・片山、打者に転向!打撃練習で柵越え連発…片鱗見せた
(サンスポ2015.2.10 05:03)

 楽天の2006年高校生ドラフト1位左腕で、中継ぎとして活躍した片山博視投手(27)が、10日から打者に転向する。球団関係者が9日、明らかにした。左肘痛の影響もあって投手を断念。1メートル91、95キロの体格を生かし、一塁手兼DHのパワーヒッターとして再起を図る。

 片山は野村克也元監督が就任した06年に入団。1年後輩の田中(現ヤンキース)らと将来のエース候補として期待され、08年には完封勝利も挙げた。その後は主に中継ぎとして起用され、10、11年に2年連続で50試合以上登板した。だが左肘痛など度重なる故障で昨季の登板はわずか4試合。10年目のキャンプを過ごすなかで、球団からのすすめもあり、大きな決断を下した。

 報徳学園高1年から4番を任され、高校通算36本塁打。打者としてドラフトで指名する方針の球団もあった。投手の打撃練習では柵越えを連発し、野村元監督も「転向するなら早い方がいい」と話していたほど。

 投手からの打者転向では、ヤクルト・雄平が昨季、プロ12年目でブレークした。楽天の「仲里班」(2軍)は10日が第3クールの初日。心機一転、「打者・片山」として新たな野球人生のスタートを切る。


50試合以上防御率は球団歴代2位の成績



下表に片山の1軍成績を掲げみた。

2005年高校生ドラフト(1位)で銀次、枡田と共に楽天入り。1、2年目は1軍出場がなかったが、3年目の2008年に初登板、主に先発として18試合に投げた。しかし翌2009年は左中指深指屈筋挫傷に見舞われ、1軍登板ゼロに終わった。

転機が訪れたのは2010年のこと。新たに就任したブラウン監督にリリーフ適性を見出されて開花した。青山、小山と共に勝利の方程式「スリーマウンテンズ」を結成。53試合とフル回転、防御率1.88の傑出成績を残した。この1.88は50試合以上投げた楽天歴代投手の中で、昨年福山(65試合防御率1.87)に抜かれるまで、最高防御率だった。

翌2011年にも59試合で投げたが、防御率は悪化する。2012年以降は年々登板数、成績を悪化させ、昨年は遂に僅か4試合だけに終わっている。

■片山博視 1軍投手成績とストレート平均球速
※平均球速は日本スポーツ企画出版社『プロ野球オール写真選手名鑑』より引用。2014年データは当方調べ。


僅か数年でストレート約10キロ減



気になっていたのは、投球の軸球ストレートの平均球速である。

2010年以前は不明なものの、2011年以降は年々右肩下がりが続いており、特にここ2年間の落ち込みが激しい。僅か数年で約10キロに迫るスピード減は、2012年終盤に投球フォームはサイドスロー気味に修正したことを考慮しても、尋常とは言えなかった。NPBのストレート平均球速が140キロという中にあって、135キロ、131キロはあまりにも遅すぎた。

軸球のストレートが走らなくなったため、スライダーを始めとする変化球も生きてこないのだろう。2008年、2010~2011年は投球回に迫る奪三振数を記録していた片山だったが、2012年以降は投球回から大きく後れを取る数字に落ち込んでしまっている。キレが無くなった証拠とも言えるのだ。昨年はファームで23試合17回を投げて防御率1.59の成績だったが、奪三振数は投球回に遅れを取る11個と少なかった。

原因は2010~2011年の2年連続50登板以上の影響もあったのだろう。いわゆる勤続疲労も多少ならずともあったのだろうし、2013年は春季キャンプ~オープン戦で好調だったが、塩見が離脱、開幕直前に辛島や戸村も離脱するというチーム事情で急遽2軍で先発調整にまわり、そこからコンディションを崩していったようなイメージがある。

さらに昨年は契約更改時に本人が「3月にヒジを痛め十分に投げることが出来ませんでした」と述べているように、左肘の故障に見舞われていた。

ストレートの平均球速下落と成績悪化は、こういったことに加え、年齢も30歳を超えてきたこともあったのだろう。2013年秋のドラフトでは新人左腕が大量入団。ライバルが増えたこともあったかもしれない。ここへきての打者転向の決断になった。

(下記に続く)

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糸井、雄平、木村の成功例と比べても時間的猶予はない



滅多にお目にかかれない投手からの打者転向例。しかし、近年は増えているようにも思う。代表例が下記3選手だろう。

◎糸井嘉男・・・《転向年》2006年6月、《年齢》25歳
◎高井雄平・・・《転向年》2009年秋季キャンプ、《年齢》25歳
◎木村文紀・・・《転向年》2012年秋、《年齢》24歳

しかし、彼ら3人が打者転向した歳はいずれも24歳~25歳だった。片山はそれより数年遅れての28歳を迎えるシーズンでの打者転向である。



『プロ野球を統計学と客観分析で考えるセイバーメトリクスリポート1』の「年齢の変化と成績の関係」でも表されているように、一般に野手選手生命のピークは27歳~28歳とされている。

彼ら3人は野手選手生命全盛期前夜に決断を下したのに対し、片山はまさに野手選手生命全盛とされる年齢での転向となった。打者として成功するために残されている時間は残り僅かと言えそうで、片山本人も苦渋の決断だったのでは?と思う。

記事にもあるように、報徳学園高時代には高校通算36本塁打。打者としての才能も評価されていて、ドラフト時には日米10数球団の関心を惹いたとも言われている。しかし、いかんせん、ブランクが長すぎたと言わざるをえず、片山にとっては厳しい挑戦になる。

糸井、高井、木村の3人は外野手に転向できた点も大きかった。一方、報道によると片山は一塁手兼DHという扱いのようだ。このポジションは強打、豪打が要求され、チームの攻撃のメインエンジンを担うポジションになる。楽天の場合は外国人が座るケースも多い。

また、彼ら3人が肩や肘の怪我で投手生命を断たれ打者転向に踏み切った訳ではないのに対し、片山は少なからず左肘の故障が響いている点が気がかりだ。左肘痛はもちろん打撃にも影響を与えるからだ。左肘が完治したのかどうかが心配である。

年齢的にも遅い転向に加え、外国人との競争を余儀なくされる。厳しいが、片山のラストチャンスを見守っていきたいと思う。

■片山博視 1軍通算打撃成績
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◎◎◎関連記事◎◎◎
〔記録〕「あとはもっと、片山がしっかりしなきゃね」。データでみる今季の片山博視の不調
打者転向した楽天・片山博視に必要な最低限のファーム打席数


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今年二軍でどれだけの成績を残せるか?

遅いと言えば遅い。

ただ成績を見ると、チーム事情を考えると野手転向は今しかなかったでしょうね。

今年一杯2軍で全試合(かそれに近い)一塁かDHで使ってもらえるか?
まぁ今年いきなり打率3割越えかHR15本以上、というのは厳しいだろう。
それを踏まえた上で、来季の片山の打撃はどちらになるか?

打率3割打てないが、HRは15~20本打つ大砲タイプか。
それともHRは10本がやっと(四捨五入あり)、打率3割3分は打てるアベレージタイプか。

そのどちらも届かないとなると…。
守備もしっかりこなさないとねぇ。

新人伊東昂大も片山加入で危機感を持って今季を望むだろう。
この2人は一塁・DH・右翼を争うだろう。

さて左投手をまたシーズン中トレードするだろうか。

Re: 今年二軍でどれだけの成績を残せるか?


ゴールドクラブさん

> ただ成績を見ると、チーム事情を考えると野手転向は今しかなかったでしょうね。

報道を見る限りでは、昨年3月に左肘を痛めたことが直接的なきっかけだったようですね。

> 今年一杯2軍で全試合(かそれに近い)一塁かDHで使ってもらえるか?

西武・木村文紀の例を調べてみました。2012年9月に野手転向しているのですが、同年2軍で12打席で打率.091、翌13年2軍で289打席で打率.242。ファームで約300打席で打率.235を残して、翌14年は1軍で330打席に立ち打率.215、10本塁打でした。

球団・首脳陣がマジ片山を打者として鍛えるつもりなら、恐らく片山にも最低300打席は必要でしょうね。

もし片山を使っていくということなら、2軍で一塁orDHで起用されることの多かった中川と小斉の2人は片山に出場数を食われることになりますから、中川と小斉、御指摘の伊東も相当の危機意識でしょう。

過去のコンバート成功例

左腕というのはそれだけで投手にとってアドバンテージになりますが、ひとたび野手への転向となるとネックになってしまうのが辛いところですね。

左腕投手から一塁転向の成功例としては、王貞治を筆頭に、杉浦亨、愛甲猛、駒田徳広、福浦和也などがいる。長身の体躯という点では駒田のケース、プロで投手を経験してからの転向では、愛甲のケースが参考になるでしょう。

両者とも長期間一塁のレギュラーを勤め上げていますが、ポジション確保には前任者の故障離脱が必要でした。加えて、チームが外国人一塁手の補強に積極的ではなかった、という後押しも必要。
コンバート組に限らず、日本人の一塁定着には、チーム状況・チーム方針が大きく影響すると言えそうです。

また両者ともパンチ力のある打者でしたが、レギュラー確保のためかキャリア中盤で長打狙いからアベレージ狙いにモデルチェンジしています。

片山も現状ではパワーを評価する声が大きいですが、年齢を考えるとより早く結果を出す必要がある。
そうなると、モノになるまで時間のかかる長距離砲よりも、アベレージ型を狙う方が現実的ではないかと考えます。ただそうなると、仮にコンバートが成功しても「銀次2号」のような位置づけとなり、チームのニーズとは合わなさそうなのが辛いところ。

しかもイケイケ補強の立花社長が活躍しているうちは、一塁・DHが空いているようなシーズンはなさそう。
考えるほどに、難しいコンバートになりそうです。あまり高望みをせず、代打でも戦力になれば十分、というのが現実的な落としどころでしょうか。

かつての主戦リリーフを失う代償としては物足りない気もしますが、この年齢での転向は、本人の中で「もう満足いく球が投げられない」という見切りがあるのでしょうから、是非もないですね。

Re: 過去のコンバート成功例

duplesさん

片山が置かれている状況を的確に分析していただき、ありがとうございます。
まさにこういう状況なんですよね。

楽天の場合、一塁orDHは外国人と相場が決まっているポジションのため、片山の挑戦は是非もなしですが、茨の道になりますよね。大久保監督も片山に「ライバルはサンチェスだぞ。それでもいいのか?」と話し合ったといいます。本人は吹っ切れているようなので、とにかく見守っていきたいと思うのです。
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