【検証】「今年は2アウトから抑え切れていない」。楽天・星野監督発言は本当に正しいのか?~2死被打率関連データより探る

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闘将発言「今年は2アウトから抑え切れていない」を検証する



8/23以降の14勝3敗、勝率.824の戦績でようやく4位5位脱出が見えてきたイーグルス。8/23~9/9の同期間内の初V昨年の戦績は10勝3敗1分の勝率.769だったから、この2週間ちょっとの戦いぶりは初Vを上まわる勢いと言えそうだ。

しかし、現時点では4位・5位と0.5ゲーム差で最下位である。

今季最下位低迷の原因に、指揮官が口酸っぱくして言うのは、2死からの失点だ。これが多すぎるというのだ。

コボスタに2万人超の観客を集めて行われた7/27日本ハム戦(●E3-7F)は先発・則本が7回途中12安打6失点と打ち込まれ、逆転負けを許すという敗戦ゲームだった。打たれたヒット12本のうち6本が2アウトから。そのうち2本がホームラン。2死得点圏で6打数3安打1本塁打と要所で踏ん張ることができず、失点を重ねていた。

特に試合が決まった7回表の4失点は、6回裏に味方が3-2と逆転に成功した直後の失点劇で、2死から4番・中田翔、5番・アブレイユに連弾を浴びるという気まずさが際立っただけに、試合後の記者会見、指揮官は「今年は2アウトから抑え切れていない。ようやく逆転したところで。ああいうところは、ダメだね!」と語気を強めてダメ出しをした。

このときの「今年は2アウトから抑え切れていない」という発言は則本に向けられたものだったが、今季は投手陣全体に向けて2死から打たれること、2死からの失点を再三口にする星野監督である。

ということで、

この星野発言は本当に正鵠を射ているのか?
単なるイメージの問題ではないのか?


昨年と比べると今シーズンは、本当に2死からの失点が多いのか?
2死から良く打たれているのか?


を下記で検証してみたい。

(一部読者の中には星野監督に対するネガティヴキャンペーンだ云々という御意見があるようですが、華麗にスルーする(笑))

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ある意味では正しく、ある意味では正しくない星野発言



最初にお断るすると、2死からの失点がどれくらいあるのか?は残念ながらその視点で記録を追いかけていないため、オフのネタにしたい。実際、昨年より増えているのかもしれない。しかし、今季は昨年より失点が膨らんでいるため、分母が大きくなればその中の2死からの失点も増えるわけで、それが我々に錯覚を起こさせている可能性も否定できない。もちろん、実際に増えている可能性もあるので、オフシーズンに確認してみたいと思う。

今回、用いるのは被OPS・被打率関連の数字である。

先に結論から述べてしまうと、星野発言は、ある意味では正しく、ある意味では正しくないのだ。

まずは2アウトでの被OPS・被打率関連の成績を確認してみよう。

今年の数字は9/9終了時。昨年は田中将大込みのデータと田中を除外したデータの2つを用意した。


■2アウトでの被OPS・被打率・被出塁率・被長打率



昨年と今年を比べると、2アウト全体では打たれていると言えそうだ。

被OPS、昨年は.685だったが今年は.738に悪化。田中を除外した昨年の数字も今年より良い.720である。被打率で診ると田中込みの昨年の数字は.242、田中抜きで.250、今年は.263だから、やっぱり、悪化している。

ただ、2アウトでの得点圏で言えば、打たれているとは言えない数字が出てきている。
下記表を見てみよう。


■2アウトでの得点圏被OPS・被打率・被出塁率・被長打率
20140910DATA02.jpg

2死得点圏では田中抜きの数字とほぼ同じの今シーズン



2アウトでの得点圏の成績である。被OPSは昨年は田中込みで.728だったが、田中抜きでは.787だった。今年は.776。田中以外の投手が昨年記録した数字とほとんど差異はないことが確認できる。被打率でも田中抜きの昨年.266、今年.264だから全く一緒と言って良い。

読者の皆さんの中には、接戦時の数字が知りたいという人もいるだろう。私も知りたかったので、2点差以内の試合展開での2アウト得点圏被OPS・被打率関連の数字を出してみた。ここで言う2点差以内はスコア0-0や同点時も含まれている。下記表参照。


■2点差以内、2アウトでの得点圏被OPS・被打率・被出塁率・被長打率
20140910DATA03.jpg

接戦時2死得点圏でも大きな差異は認めることはできない



被OPS。昨年の.789と比べれば、今年は.833だから悪化したと言える。しかし、田中以外の投手陣が記録した昨年の.859という数字と比べれば、今年の.833は若干ながらも改善されているので、昨年より今年は悪いとは言えない。

被打率では田中抜きの昨年.273に対し、今年.283。約1分悪化しているが、劇的悪化、大幅悪化というわけではない。逆に被長打率は田中抜きの昨年.476から今年.439へ改善。被IsoPで診ても.204から.157への改善が確認ができる。

田中という圧倒的存在を抜きにした昨年の投手陣は2点差以内での接戦で迎えた2死得点圏で今年より長打を浴びるケースが多かったと言えるのだ。逆を言えば、今年の投手陣は、田中以外の昨年投手陣より同状況で長打を防ぐことができていると言える。

また、同状況のエラーの数も調べてみた。ボックススコアの打者結果が「遊ゴ失」など「失」がついているもの。例えば1ヒット1エラーの場合は集計の対象外になっている。昨年も今年もこのようなエラーは3個、タイムリーエラーも昨年も今年も共に1個ずつだった。

ここで賢明な読者なら「ムムッ?」と勘付いた方もいるかもしれない。

上記表、田中込みの昨年の打数が379に対し、今年は既にその数を上まわる394打数である。ヒットの本数も昨年の97本を上まわり今年は111本を記録している。

どういうことか?というと、昨年は+91あったチーム得失点差が今季ここまで-31が示すように、打線が昨年ほど得点することができず、投打の噛み合わせも悪く、2点差以内で投手陣が投げる場面が昨年より増えているのだ。(改めて繰り返すが、ここで言う2点差以内はスコア0-0、同点時も含まれる)

投手陣が対戦した全打者数に占める2点差以内の打者、その割合は、下記のとおり約2%上昇している。

2013年・・・打者5414人、2点差以内3562人、割合65.8%
2014年・・・打者4602人、2点差以内3126人、割合67.9%

また、一番最初に確認したように、今年は2アウト全体での被OPS・被打率の数字が、田中抜きにした昨年の数字よりも悪くなっている。得点圏ではほぼ同じか僅かに改善されているから、2死走者なし、2死1塁での数字が悪化しているのだろうと思い、調べてみた。下記表参照。


■2アウト走者なし・1塁での被OPS・被打率・被出塁率・被長打率


2死走者無・1塁で打たれ、2死得点圏では踏ん張っている今シーズン



このように、被OPSでは田中抜きの昨年.675から今年は.707へ.032の悪化を見せている。

ということは、2死走者なし・1塁で打たれるケースが増えたことで、2死得点圏のシチュエーションが増えてしまったと言える。投打の噛み合わせが多く接戦時の場面展開が増えたことと合わせて、そういった理由で2点差以内の2死得点圏での打数が昨年より増えてしまっているのだ。打数が増えれば、被安打もそれだけ増えるのは自然の成り行きである。

結論の「星野発言は、ある意味では正しく、ある意味では正しくない」を改めて詳しく説明すると、「ある意味では正しい」のは2死走者なし・2死1塁では昨年より打たれる傾向があること。「ある意味では正しくない」のは2死得点圏、競った展開での2死得点圏では、少なくとも今年も、昨年の田中抜きの投手陣と遜色ない数字は残していることになる。

「今年は2アウトから抑え切れていない」というフレーズを繰り返し繰り返し試合後に聞かされると、昨年と比べてそんなに悪いのか!!!という話になってしまうけど、実際には、良く頑張っているといえる数字なのだ。

もちろん昨年より改善したという数字でもない。田中という圧倒的存在を抜きにした昨年の数字とほぼ同じであると言っているのだ。毎日のごとく指揮官がボヤくほど悪くはないことは確かなのだ。

ただ、投手別で診ると、インパクトの強い投手の数字がけっこうアレなので、指揮官やファンのイメージも悪いほうへ悪いほうへ記憶にバイアスがかかり、負のイメージが増福されてしまうのだろう。

則本は特に酷く、2アウト得点圏被OPSは1.005である。被打率は.333。昨年も悪くて被OPS.820、被打率.286だったが、それよりも悪い数字が出ている。

一方、辛島は立派。スコアリングポジションに走者を背負っても粘投できる今季の成長がこの数字にも表れている。【終】


■投手別で診る2アウトでの得点圏被OPS・被打率・被出塁率・被長打率
20140910DATA04.jpg

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