【試合評】代名詞・クロスファイアが冴えた塩見貴洋、復帰の84球~2014年7月14日(月) ○楽天イーグルス2-1オリックス

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前半戦最後のカードは京セラドーム3連戦



楽天は移動日なしで本日からオリックス3連戦。前半戦最後のカードを京セラドームで戦う。

オリックスとは今季1勝10敗と大幅の負け越し。もし本カード1勝2敗だと、今季のオリックス戦の勝ち越しが消滅するところまで、一方的にやられている。しかし、この3連戦、イーグルスに分があるのでは?と思えた。

というのは、オリックスは昨日まで敵地・埼玉ドームでライオンズと延長12回、延長12回、サヨナラ負け、いずれも1点差の死闘を繰り広げ、のべ15人の投手を注ぎ込んだものの、1勝2敗と負け越しで帰阪していた。

さらに主軸の4番・糸井が軽度の熱中症で病院で点滴を受けるなど、オリックスナインは疲労の色隠せないはず。一方、イーグルスは本拠地に腰を据えて6連戦を戦い、ロッテ戦でカードの勝ち越しを決め、良い雰囲気の中、大阪へ移動しているはず。塩見が試合を作れば、勝機はある。試合前、私の見立てはそんな感じだった。



両軍のスタメン

楽天=1番・西田(遊)、2番・藤田(二)、3番・ジョーンズ(指)、4番・ラッツ(三)、5番・銀次(一)、6番・ボウカー(左)、7番・岡島(右)、8番・嶋(捕)、9番・聖澤(中)、先発・塩見(左投)

オリックス=1番・平野恵(二)、2番・安達(遊)、3番・ヘルマン(三)、4番・糸井(右)、5番・ペーニャ(指)、6番・T-岡田(一)、7番・バトラー(左)、8番・中村(中)、9番・伊藤(捕)、先発・東明(右投)


中盤まで両先発による投手戦に



楽天の先発は塩見。相手は東明。顔ぶれだけを見れば、両先発共にまとまった失点は覚悟しなければならない組み合わせ。しかし、予想外の投手戦になった。

その中で、1点差の接戦を制したのはイーグルスだった。

1回表、2本の二塁打が相手先発・東明の出鼻を挫く。

1番・西田がインコースに抜けてきた失投スライダーをひっぱり、左翼線二塁打でチャンスメイクに成功すると、藤田バントで1死3塁、今日も3番に座ったAJが外の148キロ速球に狙いを定め、右中間を割っていく先制のタイムリーツーベース。なおも、1死2塁の好機でラッツ、銀次凡退で2点目はならなかったものの、イーグルスが今日も初回に先取点を取ることに成功した。7月に入り、初回に先取点を取ったのはこれで7試合を数えている。(楽1-0オ)

1点の援護を貰って登板したのは、塩見。約2ヵ月ぶりの1軍先発、ファーム7/8DeNA戦から中5日のマウンドになった。

速球が走った。序盤3イニング打者9人を連続アウト。4回裏、先頭の1番・平野恵の巧打に遭い、左翼線二塁打で無死2塁、バントで送られ1死3塁のピンチを背負った。しかし、バッターボックスに迎えた3番・ヘルマン、4番・糸井に対し、強気の厳しい投球。好打者を完全に手玉にとる配球で2者を連続三振に取り、三走の生還を許さない。

塩見が5、6回も三者凡退投球をみせると、翌7回表、楽天に欲しかった貴重な2点目が入っている。

先頭・ボウカーの初球カーブ打ち安打で無死1塁、続く岡島がバントで送れずに見逃し三振に倒れるという嫌なシーンがあった。しかし、拙い雰囲気を払拭してみせたのが、8番・嶋と9番・聖澤の国学院コンビ。

100球に近づき、超えてきた東明を相手に追い込まれてから粘りを発揮。両者いずれもフルカウントから四球を勝ち取ると、塁上は1死満塁、1番・西田がセンターへ巧いこと犠牲フライを打ち返し、3塁から代走・森山が2点目のホームを踏む。(楽2-0オ)

なおも2死2,1塁で藤田。この日、2本目のヒットは右前へ弾き返すクリーンヒットに。右翼手・糸井は浅めではない守備位置、9回に見せたように、処理後即バックホームというかたちではなかったが、3塁を蹴ってホームを狙おうとした二走・嶋を、三塁の鈴木康友ベースコーチがストップをかけてしまう。その後、AJが左飛に倒れ、3点目が入らない。ここでもう1点入っていれば、もっと楽な展開になったはずだ。

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塩見被弾後、必殺仕事人ブルペンリレーの大久保采配、ハマる



2-0とリードを2点差にした直後の7回裏、塩見が先頭の2番・安達にインコースを一閃され、ソロ弾を被弾。なおも3、4、5のクリーンアップトリオとの対決という場面。ここで大久保代行が動いた。

危険を察知したのだろう、今夜も早めの継投に出る。1人1殺、必死のブルペンリレー。ヘルマンに福山をぶつけて平凡な遊ゴに仕留めると、4番・糸井には左の金刃を当て、イージーな一ゴ。2死で5番・ペーニャには松井裕。7/2の2点リード5回2死2,1塁で見せたような采配が今夜も成功し、二飛。チェンジアップが高めに抜けてしまったものの、ペーニャの打ち損じを誘い、3アウトを取った。(松井裕樹の登板過多が心配だ)

8回は斎藤が三者凡退に締めると、9回表、楽天にチャンスが訪れる。

オリックスはこの回から比嘉。1死後、聖澤、西田の連続ポテンヒットに藤田の右前安打で満塁の好機を作ると、3番・AJは空振り三振。4番・ラッツはフルカウント勝負から三塁線強襲ヒット性の鋭い当たり。しかし、これが三塁手ヘルマンのダイビングキャッチに遭い、1塁送球アウトに。

追撃の機会を逸したイーグルスは9回裏、抑えのファルケンボーグ。先頭の代打・駿太を2球で三邪飛に仕留めた後、苦労することに。左飛の1番・平野恵には12球粘られると、2番・安達にも9球粘られてのフォアボール。

平野恵、安達と2者連続で粘られたファルケンボーグは次第にカリカリし始め、安達の打席時には、カッカしながら投げていたように感じる。2死1塁で3番・ヘルマン。失点を阻む好守を見せた右の好打者がじっくり見ることをせず、安達スタートのエンドラン初球打ち三ゴを打って、ゲームセット。ここでカッカした投球をじっくり見られたら、どうなっていたか・・・

塩見以下6人の投手リレーで相手打線は散発2安打。2安打に抑え込んだ試合は5/22DeNA戦(則本完封勝利)以来、今季2度目。

投手陣の懸命な働きで1点差を守り切る2-1の勝利で、イーグルスが6/27以来の連勝を飾っている。

これでチーム成績は81試合34勝47敗、借金は1つ減って13へ。順位は6位変わらず。ゲーム差は1位・ソフトバンク、2位・オリックスと14.0、3位・日本ハムと7.5、4位・ロッテ、5位・西武と2.0としている。

オリックス戦は2勝10敗、交流戦明け8勝8敗、大久保代行6勝6敗、ビジター戦績19勝22敗、先制した試合29勝15敗としている。

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比嘉が出てきたらAJに代打を送ることも検討すべき



9回表1死満塁でのAJvs比嘉の対決は、見どころの1つになった。

比嘉は屈指のAJキラー。昨年は9打数1安打5三振1四球の.111、今季も2本の併殺打を含む4打数ノーヒット1三振、通算13の1と完璧にAJを抑え込んでいた。

ただ、今日の場面は今までとちょっと様子が違ったのだ。前の投手が作ったピンチで火消しに入るのではなく、自ら招いたピンチだった。さしも比嘉も動揺隠せないのでは?と思えた。

ところが、結果はAJの空振り三振。今日もAJ殺しのスライダーに対応できず、バットが2度空を切ってしまった。

AJ殺しのスライダー。比嘉はこれで通算28球を投げ込んでいるが、その内訳を確認しておこう。

空振り・・・14 (空振り率50.0%)
見逃しストライク・・・3
ファウル・・・3 (いずれもゴロファウル)
ボールカウント・・・4
安打・・・1 (ライナーヒットの左安)
凡打・・・3 (全てゴロ。2本の併殺打)

空振り率50.0%とは驚きである。投げ込まれた28球に対し、21球でバットを振っていったAJ、その中で唯一の戦果は左安になった1球だけ。もし、試合終盤、僅差ビハインドの追う展開で、チャンスでAJvs比嘉になった場合、4番がAJの聖域でなくなった今、今後は左の代打を送ることも考えたほうが良いかもしれない。

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6回0/3、打者20人、84球(1回当たり14.00)、被安打2、被本塁打1、奪三振8、与四死球0、失点1、自責点1。

初球20球・・・ストレート12、スライダー4、フォーク1、カーブ3
2ストライク以降27球・・・ストレート14、スライダー2、フォーク10、カーブ1

塩見の談話「調子は普通でしたが、初回から全力で飛ばしていきました。今日は気迫です。心の中ではずっと「おりゃ~!」と叫んでいました。テンポよく投げられたと思います」

胸のすく塩見貴洋のクロスファイア投球



これで今季成績を防御率5.83、3勝4敗としている。

約2ヵ月ぶりの塩見の投球を目撃するにあたって、私は3つのチェックポイントを特に意識していた。

1:ファームでも被打率.349と打たれていた右打者を抑えることができるのか?
2:2ヵ月前の前回5/18西武戦では平均134.4キロだったストレート。球速が戻ってきているのか?
3:ここまでの塩見は失点の約半数を序盤2回までに失っていた。立ち上がりはどうか?

いずれもクリアすることに成功。

本戦での右打者被打率は12打数1安打の.083。安達に許したソロ弾だけである。ストレートの球速も最速140キロ、平均136.8キロと戻ってきている。もちろん、1年目の139.5キロ、2年目の138.8キロには届いていないものの、「おりゃ~!」と叫んで全力で飛ばした結果が奏功したのだろう。本戦では制球も安定しており、代名詞である右打者の懐を攻めるクロスファイアのストレートが久々に面白いように機能した。

右打者に投じた速球の65.4%をインコースに集め、変化球は全体の73.1%を低めに集める、ほぼ完璧なピッチングを見せている。

追い込んでからは低めフォークが上々の機能。2三振含む2イニング分6個のアウトを2ストライク以降のフォークで獲得している。

確かに冒頭に書いたとおり、相手打線のバッドコンディションも塩見好投の大きな要素になったのだろう。4番・糸井の2打席連続三振という「らしくない凡退劇」を見れば、前日の熱中症の影響で本調子ではなかったと言えそうだ。しかし、相手側のコンディションを考慮に入れても、塩見自身のピッチングが素晴らしかった。今季初の無四死球勝利も素晴らしかった。

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東明の力強い真っすぐにイヌワシ打線タジタジ



6回2/3、打者28人、110球(1回当たり16.50)、被安打4、被本塁打0、奪三振8、与四球4、失点2、自責点2。

初回先制劇は、1番・西田の失投料理と3番・AJの個人技によるもの。あの1点がなければと思うと、ゾッとするゲームになっている。

2番・藤田が東明対策に速球ではなく変化球待ちであることを中継のベンチリポーターが紹介していたが、恐らく打線の共通認識としてあったのかもしれない。4本のヒットのうち、3本が変化球打ちだった。

しかし、平均145.6キロを計測した真っすぐにタジタジにさせられた。ストライク先行投球の東明の前に、2ストライク以降の真っすぐで楽天打線は6打数ノーヒット5三振1四球と散々。岡島が2打席アウトローいっぱいの真っすぐで全く反応できずの見逃し三振に倒れたり、西田が逆球に振り遅れて空振り三振を喫するなど、東明ウリの力強い真っすぐが手こずる原因になっている。


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 今日の塩見のピッチングには今後に期待が持てますね。ただ全盛期の投球フォームと比べると少し腕の振りがイマイチでしたが怪我の影響もあるのかなと思えば仕方ないと思いました。しかし今年の悪いときと比べて何が変わったのか?shibakawaさんは分かりますかね?
 一方で打線は9回の攻撃でワンアウト満塁のチャンスがあったのにも関わらず0でした。ラッツは仕方ないとしてもAJに関してはshibakawaさんの言う通り立たせるだけムダです。私はもし勝負事で非情な采配を出せるならあそこで稼頭央を出すべきでしたね。でもAJはそれを許せるのかな?難しいところです。

前々からコメ入れてみたかったんですが、いいんでしょうか?

今日の塩見は素晴らしかったですね!5回くらいで嬉しすぎて泣きそうになりました(笑
今日はかなりゾーンが広く感じたので、次回以降今日はストライクだったインコース低めなんかがボール判定された時どうなるか、ちょっと不安はあります...
それとシバカワさんは大久保監督代行の継投等どう感じていますか?
個人的には中4日や中継ぎの登板過多等、かなり不満です...
データに基づいた記事がほとんどで、シバカワさんの個人的な意見の記事は出しにくいのかもしれませんが、シバカワさんの個人的な意見等も是非お聞きしたいです!(もちろん、記事に不満がある訳ではありません)

Re: タイトルなし

沖縄尚学!さん

>ただ全盛期の投球フォームと比べると少し腕の振りがイマイチでしたが怪我の影響もあるのかなと思えば仕方ないと思いました。

それだけに怪我って怖い・・・と改めて思うのです。最悪、肘はトミージョン手術がある。1年以上棒に振ることになるが、そこから復活した投手も多い。しかし、肩を痛めた投手は復活までなかなか苦労する例が多いように思います。手術をしてもトミージョンほどの成功率はないと聞きますし。

>しかし今年の悪いときと比べて何が変わったのか?shibakawaさんは分かりますかね?

報道によると、2軍では真っすぐのキレとコントロールを戻すことを課題にし、2軍戦の登板後も走り込み、その量は春季キャンプほどの多さになったという話が出ていましたね。下半身が出来てきたことが大きいのでは?と思いますが、好投の中に気になっているのは、「全力で飛ばした」という発言。全力で投げて平均球速136.8キロだったのが気になります。ローテでまわるとき、全力投球というのは毎回できることではありませんから、今後8分の力で投げた場合、どうなるのか?

Re: タイトルなし

かめさん

こんにちは。コメントありがとうございます。

>それとシバカワさんは大久保監督代行の継投等どう感じていますか?
>個人的には中4日や中継ぎの登板過多等、かなり不満です...

不安しかありませんね。夏場はこれからが本番。その前に毎試合かなりの数の投手陣を注ぎ込んでいる。当然、このような継投が続くと、登板せずに終わったゲームでもブルペンで肩は作っているでしょうし。

松井裕樹の7/2初勝利45球、中1日で7/4リリーフ登板で19球とか、考えたくもない継投ですね。
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