【惜別】 中島俊哉~安打150本中130本が左腕から。杜の都が生んだ「偉大なる1ツールプレイヤー」

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シャーパー、来季戦力構想から外れる



また1人、球団創設時を知る犬鷲戦士がユニフォームを脱いでいる。

シャーパーこと中島俊哉。当時のオリックスが2000~2002年のドラフトで獲得した一部選手に対して実施した「契約金ゼロ選手」の最後の生き残りとしても知られたベテランが、来季構想から外れるかたちになった。昨日10/28、球団が戦力外通告のアナウンスを公表している。

■中島俊哉 年度別 打撃成績
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プロ初安打もサウスポーから



2002年ドラフト8位でオリックスブルーウェーブ入り。同期には自由獲得枠で後に楽天でも同僚となる加藤大輔や、2巡目にはマック鈴木らがいた。3年目の2004年に1軍初出場。7/8ロッテ戦でダン・セラフィニから初安打。「左投手キラー」らしく、通算150安打の最初の1本もサウスポーから放ったヒットだった。

同年発生した球界再編劇でオフには楽天へ。球団創設メンバーの一翼を担った。野村監督の下で台頭。愛称どおりシャープでコンパクトな打撃でパンチ力もあった。初球から積極的にバットを振っていくスタイルで、数々の左投手を攻略した。

戦力外を受けた中島は楽天に対し「これだけ面倒を見てもらい、ありがたい。他の球団だったら、ここまでやっていません。契約金0円から12年も」と思いを語った上で「ある程度、覚悟はしていましたけど、実際に言われると。引退するか決めてませんが、寂しいですね。(現役続行かは)迷っています」と複雑な胸の内を明かした。今後は未定なものの、現時点でのプロ生活は12年間、通算292試合に出場、632打席に立ち、通算打率は.264を記録している。

本人も語っていたように、草野大輔や中村真人、有銘兼久、川岸強...草創期~初期を彩った個性溢れる選手達と同じく、中島も仙台に新興球団が誕生がしなければ、花開かさせることは難しかった選手であった。契約金ゼロ選手10人の大半が鳴かず飛ばずでプロの世界から早々に退場を余儀なくされたことを考えれば、中島も普通なら同じ道を辿っていたはず。戦力の整わない楽天に活躍の場を移すことができたこと、指揮官が「弱者の兵法」を掲げる野村克也監督だったことも重なり、「左投手キラー」の1ツールに特化してサバイバルすることができたとも言える。

野村監督の下、左投手キラーの好活躍



ハイライトは2008年~2009年の2年間か。2008年は自己最多の81試合(うちスタメン51試合)に出場、205打席で.315/.397/.466のOPS.863、5度の猛打賞も記録するなど、キャリアハイの数字を残すシーズンになった。

その2008年は5/28巨人戦(○E6-1G)でプロ初本塁打を内海哲也からマークした。ノムさんに「あの子は、左ピッチャーには何とかついていくねぇ」と評された1本だった。約1週間後の6/3阪神戦(○E11-4T)、ソロ弾を含む3安打3打点でチームの勝利に貢献。この活躍にノムさんもニンマリ。「顔を覚えた。国分町で会っても分かるよ(笑)」。それからさらに約2週間後の6/16巨人戦。チームは0-3で敗れたものの、中島は内海相手に3打数2安打。試合終了後のノムさん「左には自信を持っている。左ピッチャーの時はうちの4番だ」と評している。

翌2009年は打率.279に沈んだが、対左投手では打率.319をマーク。。クライマックスシリーズでは9打数5安打、2四球、1二塁打、1本塁打の槍働き。10/16ソフトバンク戦では杉内俊哉から2ランを、10/21日本ハム戦では武田勝から2安打など気を吐いている。

ブラウン政権では不遇をかこったものの、星野監督就任で再び復活。2011年は初の開幕スタメン出場。1点を追った6回表、成瀬善久からチャンスメイクの二塁打。後に聖澤の犠飛で同点のホームを踏む活躍をみせた。

球団史上最も価値のある四球獲得劇



2012年はなんといっても杉内俊哉の完全試合を阻止する四球獲得劇が印象深い。

「みんなは打て、打てと言っていましたけど…。あそこ(最後の球)は低かったですから、(自信を持って)見逃しました」。

そう語った中島だったが、私の目には際どい球のように思えた。9回2死という極限状態の中、集中力を切らすことなく対峙できたのは、左投手キラーの中島だからこそ成し遂げることができたと言えるかもしれない。また、この年はピンチバンターとして3本の犠打も成功させている。

翌2013年、楽天は初Vへ向けてそれまで苦手にしてきた好敵手を次々と撃破した。金子千尋しかり、攝津正しかり。内海哲也も例外ではなく、田中を押し立てた6/9巨人戦で5-3で勝利。中島はその勝利に貢献する先制のソロ本塁打を内海から放っている。

矜持を見せた今季ファーム左投手打率



2009年までの成績は307打数92安打の打率.300。2010年以降は相次ぐ怪我にも見舞われたこともあり、266打数59安打の打率.222に終わった。年々戦力の陣容が整いつつあったチームにおいて『左投手打ち』という1ツールしか持たない中島が、その活躍の場を徐々に減らしていくことは、残念ながら必然の理と言えるかもしれない。例えば今年、同じ右打ち外野手で守備にも定評のある牧田が途中まで左投手打率で好成績を残したこともあり、中島の出番はめっきり減った。僅か4試合9打席に止まった背景に、初期と比べてチームが成熟してきたその証を見る思いもする。

そんな中島だが、今季ファームでは好成績を残している。143打席に立ち、スラッシュラインは.323/.452/.369。OPS.821。左投手に限って言えば.347/.387/.510のOPS.898の戦果。1軍では精彩を欠いたものの、ファームでは「左投手キラー」の矜持を保つ成績を残している。

さて、惜別エントリーとなる本稿、やっぱり、最後は左投手成績の確認で締めくくりたい。

(下記に続く)

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■楽天・中島俊哉 vs左投手 年度別 打撃成績
※楽天在籍時。オリックス時代含まず。
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全150安打の86.7%をサウスポーから記録



対左投手打撃成績を年度別に算出してみた。楽天で左投手から放ったヒットは129本。オリックス時代の左腕セラフィニから打った初安打を含めると130本。右を含めた全150本のヒットのうち86.7%は実にサウスポーから放った点は、この人の特徴を良く表している。

楽天時代の左投手通算成績は打率.279。3割を下まわってしまったのが、やや残念だ。しかし、内海攻略に成功した2013年6/9巨人戦までの成績は427打数127安打の打率.297。3割近い数字を残していた。精彩を欠いた2013年もあの巨人戦終了時までは52打数17安打、5三振、3四球、4二塁打、1本塁打の打率.327の左投手キラーぶりを発揮していたのだった。今振り返ってみれば、初Vへ弾みをつけたあの内海撃ちが最後の輝き、あの場面で弾薬尽きるかたちになったのだ。

■楽天・中島俊哉 vs左投手 投手別 打撃成績
※楽天在籍時のもの。オリックス時代を含まず。

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楽天では72人のサウスポーと対戦



最後に、楽天で残した左投手成績を対戦投手別に確認してみよう。

1軍では実に72人のサウスポーと対戦、そのうち46人からヒットを記録している。


◎主な好相性の投手・・・武田勝、成瀬善久、吉川光夫、藤井秀悟、山本将悟、内海哲也、小笠原孝、村中恭兵、下柳剛

◎主な悪相性の投手・・・菊池雄星、和田毅、井川慶、石川一久、八木智哉、杉内俊哉、吉見祐治、能見篤史、森福允彦


初期のイーグルスは武田勝を苦手としていた。その中、中島は.350のハイアベレージ。2009年CSの3打数2安打1二塁打も入れれば43打数16安打の.372の対戦成績だった。

対戦OPS.951の快記録を残した藤井秀悟には、今季ファームでも3打数3安打、1四球、1二塁打、1本塁打の戦果を残した。

内海哲也からは対戦打率.500をマーク。OPSに至っては1.655の驚値。プロ初本塁打と、昨年放った最後の本塁打も内海から記録。日本シリーズでも3打数1安打の槍働きを見せている。

下柳剛とは5打席5安打の好相性。当時の下柳は阪神の先発ローテ投手として4年連続二桁勝利を記録した最後の2年間に当たっていた。当時のシャーパーは、脂が乗り切り円熟味を増したベテラン左腕をも苦にしなかったのだ。

杉内俊哉との対戦打率は.100。しかし09年CS13年日本シリーズの3打数1安打を入れると.154になる。杉内から放った3本のヒットのうち1本がホームランだったこと、3個の四球のうち1個が価値大の大記録阻止四球だったことを考えれば、数字では測り知れない戦果だとも言える。

一方、全く合わない相手も存在した。菊池雄星とは18打数1安打の.056。調べてみると雄星の速球に球威負けするかたちでのフライアウトが多かったようだ。メジャー出戻り井川慶とも15打数1安打の.067。高めの速球を狙っていくも打ち損じるケースも多かった模様である。


中島は左投手打ち以外、目立った才能を持たなかった。足も速いわけでもなく、外野守備も抜きんでるような部分はない。その左投手打ちも持って生まれた才能ではなく、磨き続けて苦心して掴んだ賜物だった。凡人が達人へといったイメージがある。その姿は私のような凡人に、ことさら勇気を与えてくれた。

最後になるが、私はシャーパーをリスペクトの念を込めて、こう呼びたい。

楽天イーグルス最初のディケイドに欠かすことのできない「偉大なる1ツールプレイヤー」だったと。

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きたる敵地ロッテ3連戦と盛岡西武戦、成瀬善久、藤岡貴裕、菊池雄星を攻略するのに必要な楽天のキーマンとは?!

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連覇へ向けて厳しい戦いを余儀なくされているイーグルス



連覇を目指す楽天の戦いは、5月に入ってなおその厳しさは変わらない。交流戦前の山場となったゴールデンウィーク8連戦。3勝5敗の負け越しで終えたイーグルスは、34試合を終えて15勝19敗の借金4。首位とは6.5ゲーム差引き離されての5位低迷を余儀なくされている。

開幕前の大方の見立て通り、ここまでは「投」では田中将大、「打」ではケイシー・マギー、MLBに活躍の場を移した昨年初V投打の立役者の“不在”が重くのしかかっている。

交流戦突入前のリーグ戦は残り8試合となっている。5/9~5/11敵地ロッテ3連戦、5/13~5/15本拠地にオリックスを迎えての3ゲームシリーズ。5/17・5/18西武2連戦は秋田、盛岡、みちのくを転戦する。この8試合を消化すると、144試合の約30%、42試合を消化することになる計算だ。

参考までに昨年の42試合消化時のチーム成績を確認すると、23勝19敗の貯金4。順位は2位だった。既に上昇気流を捉えていた時期になっていたのだ。

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交流戦前の借金完済にはサウスポー攻略が至上命題



ということを考えると、連覇を狙うには、交流戦前に借金を完済、交流戦で貯金を作りたい。これが理想のロードマップになる。もちろん、難作業と言える。

直近のロッテ3連戦が重要になる。5/1ロッテ戦で連敗を5でストップさせたイーグルスはその後、連勝できていない。「5割はモチベーションなんだ。連勝しないと、乗っていかない」。指揮官がそうこぼすように、5割復帰へまずは連勝を作りたい。

そのためには、恐らく初戦に立ちはだかるであろう相手エース・成瀬、2戦目の藤岡、両左腕の攻略は至上命題なのだ。

左キラー、中島俊哉の1軍招集を!!



そこで、当ブログは提案したい。

イーグルスが誇る「左キラー」、中島俊哉の1軍招集を。

5/18盛岡の西武戦はライオンズ先発は故郷凱旋登板となる菊池雄星が予想される。少なくとも交流戦前の8試合中3試合は相手先発が左腕だろうと考えられる。この3試合で勝利を目指すには、楽天で128本のヒットをサウスポーから放ってきた中島の力が必要なのだ。

■楽天・中島俊哉 対左投手 年度別 打撃成績
※オリックス時代は除く
プロで放った全150本のヒットのうち、少なくとも85.3%以上をサウスポーから打ってきている。球界でも珍しい左投手専用打者、偉大なる1ツールプレイヤー。


数字を見る限り、調子が悪いわけではないのでは?



プロ12年目を迎えた球団創設時を知るベテランは、今季ここまで2軍調整中。2月の久米島キャンプも2軍スタートとなり、その後も春季教育リーグ出場、イースタン公式戦でのプレーが続き、1軍には1度も登録されていない。

1軍からお呼びがないから調子が悪いのでは?と思われる読者もいるかもしれないが、私は決して調子が悪いというわけではないと思っている。

5/6現在、2軍での打撃成績は、22試合、64打席、55打数15安打11打点、2二塁打、3本塁打、7三振、3四球、1死球、2犠打、3犠飛、打率.273、出塁率.306、長打率.473、OPS.779となっている。

イースタンリーグ平均値がOPS.713、打率.266だから、2軍平均レベルを上まわる打力を発揮していると言えるのだ。

さらに、成績を左右投手別で確認してみよう。

■楽天・中島俊哉 2014年2軍左右投手別打撃成績
※5/6終了時でータ
20140507DATA02.jpg

2軍では左投手OPS.903



打率は左も右も.273で同じ数字を残しているものの、OPSで差異が出ている。

御覧のように、左投手OPSは.903。右投手の.593と比べると雲泥の差。右投手から1本も長打を記録していない中、左投手からは二塁打2本、本塁打3本、合計5本の長打を放っている。

天童で行われた4/15巨人戦では1-3の2点を追う8回、同点に追い着いてなおもチャンスで代打起用され、須永英輝から見事な代打決勝3ランを放っている。ゴールデンウォークの5/3DeNA戦では陳冠宇からも今季ファーム3号を記録した。



枡田不振、牧田低迷、後藤スランプの1軍外野陣事情



現在、イーグルスの外野陣は、聖澤戦線離脱中の中堅が島内、右翼が岡島で固定。左翼のみ相手先発が右投手のとき主に枡田(枡田は今季左投手に僅か11打席しか立っていない。打率は8打数ノーヒット5三振の.000だ)、左投手で主に牧田がスタメン起用されている。

しかし、その牧田のバッティングの調子がここへきて下がり気味なのだ。4/23西武戦以降の直近30打席でヒットは僅かに3本。内野ゴロを打たされるシーンが非常に多い。本来の打撃とはほど遠く、来るロッテ戦でスタメン起用されても、結果が出るかは分からない。

先日入団会見を開いた新戦力ボウカーは就労ビザが発給され次第、恐らくファームで数試合調整を経た後、1軍合流になるはず。一塁または左翼での起用が予想されるが、新助っ人もサウスポーはカラッキシという弱点を抱えている。

内外野のユーティリティとして起用されているベテラン後藤も現在24打席ノーヒットと絶賛スランプ中。

こういったチーム事情を見るに、来るロッテ戦、盛岡での菊池雄星戦に勝つには、やっぱり、シャーパーの力が必要になってくる。

ぜひ星野監督、田代・平石の両打撃コーチにはシャーパーの1軍招集を検討してもらいたいのだ。【終】

5/8追記:日刊スポーツふくださんTwitterによると、シャーパーが1軍昇格するとのこと。



◎◎◎関連記事◎◎◎
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【記録】楽天 中島俊哉 2012年 ゾーン・コース打率 球種打率

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先月29日、120万アップの推定年俸1620万で契約を済ませた中島俊哉。
後半戦に調子を落としたが、前半戦は左キラーとして活躍、3年ぶりに存在感を発揮するシーズンになった。

その中島のゾーン・コース打率を確認してみたい。

今季、中島は108打席に立ったが、96打席が対左投手だった。
そのため、対左投手のみを確認する。


■対左投手ゾーン・コース打率
打率.276、87打数24安打、14三振、0本塁打


vs左投手ストライクゾーン打率は3割超え

左ピッチャーが投げてくるストライクゾーン球の打率は3割を超えた。(上記表の右下参照)

私は、主力選手、レギュラー選手ならストライクゾーン打率は3割を越えて当たり前、と考えている。3割のアベレージを残せたのは、主な選手の中で中島を入れて4人だけだった。

■主な選手の対左投手打率、およびストライクゾーン打率
◎聖澤諒=.247、〔S内〕.283 (173打数49安打、2本、19三振)
◎銀次=.282、〔S内〕.295 (129打数38安打、0本、4三振)
◎牧田明久=.184、〔S内〕.191 (115打数22安打、3本、11三振)
◎フェルナンデス=.196、〔S内〕.197 (117打数23安打、2本、12三振)
◎松井稼頭央=.281、〔S内〕.340 (103打数35安打、2本、2三振)
◎嶋基宏=.324、〔S内〕.364 (88打数32安打、0本、11三振)
◎鉄平=.265、〔S内〕.306 (72打数22安打、0本、6三振)
◎枡田慎太郎=.237、〔S内〕.250 (72打数18安打、1本、17三振)
◎ガルシア=.209、〔S内〕.229 (70打数16安打、4本、7三振)
◎高須洋介=.190、〔S内〕.197 (66打数13安打、0本、4三振)
◎中島俊哉=.276、〔S内〕.328 (64打数21安打、0本、8三振)


この4人の中で対左投手打率3割を越えたのは嶋ただ1人だけ。打率は「ストライクゾーン打率+ボールゾーン打率」の合計であるので、松井、鉄平、中島はボール球に手を出すケースも多く、トータルしたときに率が下がってしまったのだ。中島の対左投手ボール球スイング率は当ブログ調べで29.4%を記録(犠打除く)。これは高すぎる。

ボール球に手をだすケースが多かったため、対左は3割にヒット3本足りない.276で終わった中島だが、ストライクゾーンの球はしっかり打てていた左キラーで生きていく中島の「強み」なのだ。

ストライクゾーンの中を確認してみると、高め2つのゾーンを除き、外角でも内角でもほぼまんべんなくヒットを打てていた。





ストライクゾーンの中で打てていなかった高め2つのゾーン、上記配球図の水色網掛けの部分、ここの詳細をみてみると、速球でも変化球でも結果が出ていないことが確認できた。

◎速球(26球)=9打数1安打0三振、WH率.222
26球のうち17回バットを振りにいき、1回空振り、5回ストライク寄与ファウル、2回2ストライク以降ファウル、9回でバットに球が当たり結果が出る(9打数1安打)。

◎変化球(16球)=6打数0安打4三振、WH率.500
16球のうち12回バットを振りにいくも、4回で空振り(いずれもスライダーで三振)、4回でストライク寄与ファウル、2回で2ストライク以降ファウル、2回でバットに球が当たり結果が出る(2打数0安打)。

このとおり、ファウルを打たされストライクを稼がれることも多く、打球が90度内に飛んでも、WH率の低さが示すように、良い当たりもなく凡打に終わっていた、と言うことになる。

高めは“打ちごろの球”に見えてしまうため、ついつい手が出てしまいがちになるゾーンだが、今季の中島は身体に近い高めではヒットを打てていたものの、離れてしまうと凡打に終わるケースが多かった。

苦手なゾーン=ストライクゾーンの外角高め・真中高め

と言えそうだ。

次に球種打率をチェックしてみよう。


■対左投手 球種打率 空振り率
20121205DATA2.jpg

スライダー打率3割
主な球種で“お手上げ”の数字を作らなかった点が「強み」


対戦した左投手が投げてきた球種割合は
速球(St+Sh)25.2%、スライダー37.6%、チェンジアップ25.7%
という内訳になっていた。この3球種で88.5%を占める。

今季の中島はこの3球種にまずますの率を残すことに成功している。
速球は.271、スライダーは.316、チェンジアップは.267。
1割台~2割台前半の率がなかった点が、対左.276というまずまずの率を残すことができた要因だ。逆に、速球の打率が3割を越えていたら、.276も3割近くになっていたはずだ。

スライダーで3割超えしているが、もっと細かくみると、高めスライダーは8打数ノーヒット5三振と、からっきしだったここで言う高めは上から1行2行目まで)。一方、中段から低めスライダーに対して11打数6安打の打率5割超えのハイアベレージを記録。トータルで3割をマークしたということになっている。


■対左投手 月間打率



上記は対左投手月間打撃成績表になる。

ご覧のとおり、8月から調子を落としていったことが数字上でも確認できる。

前回の犬鷲通信簿2012エントリの時にも振れたが、5月6月7月の好調月と4月8月9月の不調月、何が違ったか?と言えば、打席に占める2ストライク以降の打席結果の割合に明らかな差異があった。

◎好調月=38.6% (57打席のうち2ストライク以降22打席)
◎不調月=59.0% (39打席のうち2ストライク以降23打席)

追い込まれてしまうと、どんなに優れたバッターでもアベレージは極端に下がり、3流打者になってしまうもの。

この差異をふまえて、不調月は追い込まれる前に打っていくことができなかったと判断し、前回は「積極性」が足らなかったと書いた。

底を突いた身体のキレ。タイミングはずされ「確実性」に欠いた後半戦

しかし、さらに突っ込んで調べてみると、どうやら間違いだったようだ。

好調月と不調月の0ストライク、1ストライクからのスイング率を調べてみると、

◎好調月=〔スイング率〕34.6% (151-53)
◎不調月=〔スイング率〕49.5% (95-47)

このように、不調月のほうが、バットを振りにいく頻度は高かったのだ。「積極性」という言葉でいえば不調月こそ積極的なバッティングだった。(裏を返せば、球の見きわめがおろそかになり、やみくもにバットを振っていたも言えるのだが)

では、今一度何が違ったか?考えてみるに、ストライクカウントが0、1の時にバットを振りにいったものの、空振りやファウルを打たされ、ストライクカウントを稼がれてしまうケースが、不調時のほうが多かったことが判明した。

◎好調月=スイングしにいった53球のうち、空振り・ファウルが19回、35.8%
◎不調月=スイングしにいった47球のうち、空振り・ファウルが32回、68.1%

不調月は、打ちにいくものの68.1%で空振りや差し込まれるなどしてファウルを喫し、ストライクを稼がれ、結果、追い込まれていったと判断できる。不調月の2ストライク以降の勝負が多かったのは、こういう理由があったからなのだ。

また、下記のとおり、0ストライク1ストライク時の打率も1割近い差が出た。一言で言えば、「積極性」ではなく、当たり前のことになってしまうが「確実性」に欠いたのだ。

◎好調月=.394 (33打数13安打)
◎不調月=.286 (14打数4安打)

「衰えと言ったら終わりなので、もう1回体を鍛え直して、ボールが飛ばなくなったというのもあるとは思うのですけど、もう1度キレる体を作っていけたらと思います」

結局、契約更改時に中島がそう自己判断したように、後半戦は前半戦はあった身体のキレが底を突き、疲労も重なり、さらに統一球の影響で、始動が遅れたり、タイミングをはずされたりして、バッティングの調子を落としたということなのだろう。

レギュラーで出ている選手じゃないのに疲労からパフォーマンスが落ちてしまうものなのか?と言われそうだけど、出場機会が限定される中での「また違った調整方法の難しさ」はあるはずだ。コンディションやモチベーションを鮮度の良い状態で保っていくことは簡単なことではないだろうし、控え選手でもアーリーワークは徹底的に続けていたはずだ。(おそらく夏場のこれで体力消耗に拍車をかけたはず)

とはいえ、前半戦の好成績には手応えを感じたはず。来季も必ずその力が必要となるときはくるので、オフの身体づくり、しっかりおこなってもらいたいと思う。


◎◎◎関連記事◎◎◎
【記録】楽天 聖澤諒 2012年 ゾーン・コース打率 球種打率
【記録】楽天 松井稼頭央 2012年 ゾーン・コース打率 球種打率
【犬鷲通信簿2012】中島俊哉──77点。正念場の2012年、左キラーとして復活。大記録阻止の貴重な四球劇

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【犬鷲通信簿2012】中島俊哉──77点。正念場の2012年、左キラーとして復活。大記録阻止の貴重な四球劇

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随分と間隔が空いてしまったが、1軍選手の今季活躍を振り返っていく「犬鷲通信簿2012」を再開したい。及第点を60点に、合格点を75点に設定して100点満点で採点もしてみようという企画。

ここまで聖澤諒(87点)島内宏明(80点)枡田慎太郎(85点)のプレーを確認してきた。

今回は、分配ドラフトでオリックスから楽天入りした13人の唯一の生き残り、背番号8、中島俊哉を取り上げてみたい。

中島俊哉・・・77点


■中島俊哉 2012年 主要打撃成績
20121129DATA3.jpg


ちょうど今日、中島の契約更改がおこなわれた。120万上乗せの推定年俸1620万円でサイン。日刊スポーツの記事「【楽天】中島120万円増、左キラー復活だ」によると、


---引用開始---
http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20121129-1053295.html

 左キラー復活を目指す。今季は、相手投手が左投げでも代打起用されないケースがあった。「そりゃ悔しいですよ。左が来たら中島と言ってもらえるようでないと。悔しいです。(自主トレは)もう1度鍛え直したいと思います」と、オフに体を作り直すつもりだ。(金額は推定)
---引用終了---



とあり、来季、左キラーの復活を期すという趣旨になっている。

しかし、私の個人的な印象では違ってくる。プロ10年目を迎えた今季、8月以降バッティングの調子を落として失速したものの、3年ぶりに「左キラー」として活躍、脇役の妙味をみせてくれた。プラスのイメージになるのだ。そして、なによりも、球団史上最も価値あるフォアボールを獲得し、チームの救世主となった。


今シーズン、楽天打線は左投手に手を焼いた。相手先発が左のときのチーム成績は56戦20勝33敗3分。借金13と大きく負け越し。この点もイーグルスがCSを逃した敗因の1つになった。

下記にチーム別の対左投手打撃成績を表にまとめてみた。


■2012年 チーム別 対左投手 打撃成績
※投手の打席は含まない



これをみると、対左のときの楽天のOPSは.624、パリーグ5位と低迷した。打率は.240で同4位、出塁率は.303同4位、長打率は.321で同最下位を記録した。

今季、イーグルスは得点力を改善、1試合平均得点を昨年の3.00から3.41に上げてくることに成功したが、対左時は昨年の2.98から2.82と下げてしまう結果に終わった。一方、1試合平均失点はシーズン全体で3.24、対左時は3.14。ひとえに、投手陣の頑張りに打線が応えることができなかったのだ。

これには、主力選手の対左投手打撃成績が軒並み悪かったのが影響している。
下記にイーグルスの選手別の対左打率を掲載した。


■2012年 楽天イーグルス 選手別 対左投手 打撃成績
※投手は除く
20121129DATA2.jpg

主要打者が散々な中、「左キラー」として一定の戦果

90打席以上の11名を眺めてみると、打率3割超えは嶋ただ1人だけである。打率1割台は牧田、フェルナンデス、枡田、ガルシア、高須の5名。聖澤の.247はほぼリーグ平均なものの、もう少し打って欲しかったという思い。鉄平も同様なのだ。そんな中、リーグ平均を.027上まわった中島の.276は、前述11名の中では4位(OPSは5位)で、それなりの好成績だったように感じるのだ。

(ただ、長打が僅か二塁打2本と減ってしまった点は、中島という選手には球団も首脳陣も長打よりもヒットを求めていると思われるものの、少し寂しい気持ちにさせられる)


■中島俊哉 楽天在籍 年度別 対左投手 打撃成績
20121129DATA5.jpg


楽天に来てからの中島の対左投手打撃成績を、ここで確認してみよう。

中島は楽天で532打席バッターボックスに立ったが、そのうち415打席が左投手との対戦だった。割合にして78.0%。打率.293、OPS.780を記録。プロ通算成績が打率.272、OPS.701だから、中島がいかに「左キラー」一本でプロの世界をサヴァイバルしてきたか、その凄さを、一人のファンとして、今改めてかみしめることができる。個人的に、他は並みでも一芸に秀でた選手は好きなのです。


今シーズン、開幕1軍でスタートしたものの、開幕当初の3月4月は、左翼で新外国人テレーロを使っていくというチーム方針のため、なかなか出場機会に恵まれなかった。

初出場は開幕カード3戦目、4/1Kスタでのロッテ戦(●E2-4M)、代打だった。相手先発・新人左腕の藤岡に対し、味方打線が苦しんでいた3点を追う終盤、枡田への代打で杜の都に登場。このときはあえなくファーストファウルフライに倒れてしまう。

初スタメンは4/7敵地でのオリックス戦(○E3-2Bs)。DHのガルシアが夫人の出産のためチームを離脱、さらに牧田がデッドボールの影響で球場が続いたことでまわってきたチャンスがまわってきた。相手先発が左腕の中山ということも相まって「5番・DH」で起用される。

中島はみごとその起用に応えてみせた。

先取点攻防となった2回の攻撃。先頭打者として左前安打で出塁。追い込まれながらも、内角に入ってくる中山のスライダーを振り抜き、差し込まれながらも左前へフライで運ぶ一撃をみせ、その後、テレーロの右前適時打でしっかりホームに生還、2点先制劇の口火を切る切込役をこなした。

初打点は4/29Kスタでのオリックス戦(○E7-4Bs)。2度目のスタメンで結果を残した。2点を追う中盤の反撃機、18.44mで再び中山と対峙。中前へ快音残すクリーンヒットを打ち返し、これがタイムリーに。指揮官も「あそこでよく中島が打ってくれた」と評価する一撃でチームの逆転勝利に貢献した。

この試合、先発・下柳が早々に降板、序盤から二番手として加藤がロングリリーフに入っていた。中山と加藤は02年ドラフトでオリックス入りした同期。マウンドで好投する加藤に対し思いがあったのだろう、「何としてもヒットでランナーを返したかった。同い年の加藤に貢献できて良かった」との談話を残している。

「みんなは打て、打てと言っていましたけど…。あそこ(最後の球)は低かったですから、(自信を持って)見逃しました」

その後、ガルシアや牧田が復帰したことで、再び出場機会が限られてしまう。代打や代走での起用が続いた中、潮目がやってくることになる。

5/30東京ドームでの巨人戦。田中と杉内の投げ合いとなったこの試合、杉内に楽天打線は完全に抑え込まれてしまった。9回2死まで12奪三振のパーフェクトピッチング。あとアウト1個で大記録達成か?という状況で、田中の代打としてバッターボックスに向かったのが、中島俊哉だった。

初球、高めに甘く入った速球をスイング。バックネット方向へのファウル。その後、際どい所を突かれるものの、しっかり球を見定め、カウントをフルカウントまで持っていく。ラストボールとなった第6球、膝元の際どいコースへの速球だった。

手を出してもおかしくはない状況だった。しかし、我慢。よく見きわめてみせた。河北新報の記事によると「(自信を持って)見逃した」というフォアボールは、土壇場の土壇場で完全試合を阻止する「球団史上最も貴重な四球」になった。

鉄平の右肩違和感によるファーム落ちも重なったが、この四球が中島の評価をグっと押し上げ、「転機」となったのだ。

左投手先発時、14試合連続スタメン

翌5/31巨人戦(●E2-4G)以降、相手先発が左投手のゲームでは中島がスタメンというケースが増えていく。7/4ロッテ戦(●E2-3M)まで、実に14試合連続スタメンで起用されている。

翌5/31巨人戦(相手先発は内海)、2打数1安打1四球、結果を残す。特に1点を追う4回2死、内海相手にフルカウントから、同点劇につながる四球を獲得、その後、枡田の適時打で同点のホームを踏んでいる。

6/5Kスタでの阪神戦(●E1-3T)では3打数2安打1打点。1点を追う7回のチャンス、岩田の外角低めボール気味の球だったものの、「ここで決めなければと必死でくらい付いていった結果」という同点打のピッチャー返し。センターから打球がバックホームされる中、フェルナンデスが好走塁をみせて2塁から一気に生還。Kスタは一気にボルテージが上がる見せ場を作った一撃となった。

好投・美馬の4勝目を手繰り寄せる先制2点タイムリーを打ったのは、6/11敵地でのDenA戦でのこと(○E5-1De)。楽天は3回に一挙5点の猛攻で試合を決めたが、0-0の1死満塁で田中健二朗から三遊間を破る先制打がこの試合の決勝打になっている。

そして、巡ってきたリベンジの機会

今季初打席、一邪飛に凡退。藤岡に抑えられた悔しさを晴らしたのが、6/23Kスタでのロッテ戦(○E2-1M)だった。1回、フェルナンデスの先制打で1点を取ってなおも2死2塁のチャンス。本人の談話によれば、低めに誘う初球チェンジアップを上手く見逃せたのが奏功したという。1-0からの2球目、甘めに入ったスライダーをセンターへ弾き返していくタイムリーを記録した。

「島村さん、中島選手、チームから星野監督から“シャーパー”と呼ばれているんですね。中島選手の持ち味であるシャープにコンパクトにというところからきているんですけれども、まさにそんなバッティングでしたね」と羽村亜美さんも興奮気味にリポートする一撃となった。

打撃好調の要因。その1は初球の見きわめにあり

中島のコメントにあるように、初球の見きわめが、今季一定の成績を残せた要因のように思う。

初球ストライクだった時とボール球だった時のスイング率、打率を確認してみた。


◎初球がストライクゾーンの球=68球
68球に対し、バットを振りにいったのが29回(42.6%)
そのうち打席結果が出たのが20回で打率.278、ファウルが7回、空振りが2回

◎初球がボールゾーンの球=40球
40球に対し、バットを振りにいったのが3回(7.5%)
ファウル1回、空振り2回


上記の結果になっていた。

初球がストライクゾーンに来た場合、中島は積極的にバットを出していっているのが確認できる。打率こそ.278だったものの、結果に関わらず良い当たりだったかどうかを診るウェルヒット率では当ブログ調査で.500を記録した。

一方、初球がボールゾーンの球だった場合、手を出しにいったのは僅か3回。中島は投手の誘いに乗らず、しっかり球をみきわめることができていたといえる。大半で1-0というボール先行の打者有利カウントを作ることができていたのだ。

一流左腕相手にマルチ安打祭り

6/26東京ドームでの日本ハム戦(○E2-1F)では武田勝から2安打。7/1ソフトバンク戦(○E3-2H)では大隣からも2本ヒットを放った。7/4ロッテ戦(●E2-3M)ではいずれも先頭打者として得点に絡む2安打、打率も.304と3割を越えた。恐らくこの頃が今季のピークだったのかもしれない。

得点圏でも勝負強さを発揮、最終的な得点圏打率は21打数7安打の.333で終えたものの、6/30までは11打数7安打の.636という驚異のハイアベレージを記録した。


この好調に対して、当時、羽村亜美さんの取材に対し、体重移動の意識変化をあげていた中島。

「春先から10対0の体重移動を意識して取り組んでいたんですが、今月上旬くらいから考え方を変えて、左方に壁を作ることを意識したと。壁を作ることによって身体が開かず残っていけると表現していましたね。10対0の体重移動だとしっかり当たった時は大きいんだけれど、当たる確率は低かったそうなんです。ここのところ良いヒットが出ているので、壁を作るという打ち方に変えたそうです」というベンチリポートが羽村さんから届けられたのも、この頃だった。

“つまずき”は意外なところから・・・

好調だった中島に陰りが見え始めたのは7月の中旬頃だろうか。バットでの不振ではない。つまずきは「打」以外、サインの見落とし、走塁ミスからやってきた。

7/11Kスタでのオリックス戦(●E1-3Bs)、0-0の2回、エラーで出塁した枡田を塁に置く無死1塁での打席時、1-0からの2球目、エンドランのサインを見落としてしまう。スタートを切っていた枡田は2塁で憤死、その直後、四球で出塁するものの、今度は井川の牽制球に誘いだされ一二塁間で挟死。中島のミスも響いたかたちとなり、楽天は井川に日本球界復帰初勝利の白星を献上することとなってしまう。

7/16QVCでのロッテ戦(●E0-5M)、成瀬から再び2安打を記録するものの、指揮官の勘気をこうむる走塁ミスが出た。0-0で迎えた3回2死からショート内野安打で出塁、根元の1塁スローイングが逸れてファウルゾーンを転々とする間、中島は2塁でストップ。これがいけなかった。その後、枡田の中前安打でホームを狙うものの里崎の好ブロックにも遭いアウトになってしまったこともあり、星野監督からカミナリが落ちることとなる。QVCマリンフィールドのファウルゾーンは他球場よりも広い。このことを頭に入れていれば、2塁止まりではなく3塁まで進めたはずだとのこと指揮官は指摘してみせた。

この2つの「つまずき」が2度目の転機になったのか、以降、打撃のシーズン終盤まで33打数5安打の.152と低迷。

9/9には1軍登録を抹消され、9/21には再登録されるものの、島内の台頭等もあり出番は少なく10/4に再度抹消、最後は尻切れトンボのようなかたちになったまま、中島の2012年が終わった。


■中島俊哉 2012年 月間別 期間別 左右投手別 打撃成績
20121129DATA4.jpg


積極性が打撃の明暗を分けた?!

中島の成績を月別で確認してみよう。5月6月7月に好成績を残し、開幕当初の3月4月、後半戦の8月9月、極度に数字が落ち込んでしまった。

5月6月7月を好調月、3月4月8月9月を不調月として、何が違ったのか?数字から探ってみた。すると、1つの差異が明確に出てきた。

よく使い古されたフレーズを用いれば「積極性」ということになるのだろう。

全打席に占める2ストライクと追い込まれた打席の割合が、はっきり違うのだ。

◎好調月=36.5% (63打席中、2ストライク以降打席23)
◎不調月=57.8% (45打席中、2ストライク以降打席26)


12/5追記:厳密にいえば「積極性」ではなく「確実性」ということになるかと思う。もっと突っ込んだ考察を「【記録】楽天 中島俊哉 2012年 ゾーン・コース打率 球種打率」でしてみた。


次に左右投手別成績を確認してみる。

右投手とは12打席で対戦、犠打が3つあったので、9打数ノーヒット1三振。1本もヒットが出なかったのは、中島らしい、と言うべきか。左には.276の打率を残したが、トータルでは.250に終わった。

先ほども前述したように、一流左腕から良く打った。主な戦歴は下記のとおり。


◎大隣憲司=6打数2安打
◎武田勝=7打数3安打、3三振、1四球、1ニ塁打
◎成瀬善久=7打数4安打、2三振、
◎岩田稔=3打数2安打



一方、最優秀防御率の吉川からは5打数ノーヒット、井川には10打数1安打と、この2人に対して快音出ていたらという結果になった。

3度あった代打でバントのつなぎ役をしっかりこなす

今季は代打でも明暗が分かれるかたちになった。

上記記事中で「今季は、相手投手が左投げでも代打起用されないケースがあった」とあるが、代打では左投手相手に10打数1安打と結果を残すことができなかった。

一方、下記の3度のピンチバンターの起用にみごと応えてみせた。


◎8/7Kスタでのオリックス戦(△E0-0Bs)、0-0の9回無死1塁、ハーパーの代打で一犠
◎8/12敵地でのソフトバンク戦(△3-3H)、2-3の1点を追う9回、無死2塁、稲田の代打で投犠。その後、得点につながる。
◎8/16Kスタでの日本ハム戦(○E1-0F)、0-0の7回無死1塁、ハーパーの代打で投犠、その後、決勝打が飛び出す。



そのうち2度はチームの勝敗を分ける貴重な得点につながるバントになっている。

羽村亜美さんのリポートによると、代打でバントはプロ初ということで、寿命が縮む思いだったという。ちょうどこの頃スタメンでの起用も減り、打席に入っていなかったこと、相手が右投手だったことも相まって、物凄く緊張したと述懐している。

左翼守備ではチームトップのレンジファクターを記録

守備の人というイメージはないものの、今季は左翼守備でも良い働きをしたのでは?と思う。先日調査した「〔記録〕2012年パリーグ主な左翼手RF。攻守両面で楽天のアキレス腱となったレフトの穴」では、左翼レンジファクターでチーム内トップの数字を叩き出していた。

島内(1.56)やテレーロ(1.26)が穴を空ける中、鉄平(1.92)と共に中島の数字(1.95)が埋める役割を果たしていた。補殺3は鉄平と同数。

幾つか好守備を挙げておこう。

1点差で勝利した8/31Kスタでのオリックス戦(○E3-2Bs)では2つの好守備でチームに貢献した。

1つめは1点を追う3回2死2塁のピンチだ。李大浩のすくいあげたライナー性の飛球をダッシュで突っ込み、最後は前のめりのダイビングキャッチで、タイムリーを許さない。2つめは2点リードして迎えた7回1死3塁のピンチ、高めの変化球を安達にバット一閃された左中間後方の飛球を、中島が背走して追いつく好キャッチをみせた。もし、抜かれていたら1点返され、なおもピンチが続くという状況になり、試合の行方はわからなくなっていたに違いない。

みごとなストライク返球で走者をホームで刺したのは、1軍再登録された9/21Kスタでの、CS争いの関ヶ原ソフトバンク4連戦の初戦(△E1-1H)でのできごと。

1-1の同点で迎えた4回2死2塁、今宮の矢のような左前安打で3塁を蹴ってホームへ突っ込んでくる柳田を、ワンバウンドでのバックホームで刺してみせる、失点を阻むファインプレーも魅せた。



来季は33歳、プロ11年目のシーズンを迎える。若手への世代交代が確実に進んでいる楽天において、2013年も中島の活躍の場は数少ないのかもしれない。しかし、「左キラー」として与えられるであろう“持ち場”で、面目躍如のプレーを続けてほしい。【終】


完璧な返球!中島が肩で魅せる! 2012.09.21 E-H



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